カレッジマネジメント214号
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30北海道科学大学は、2018年度現在で、4学部13学科・3研究科と短期大学部を擁する、理系中心の私立総合大学である。札幌市手稲区の前田キャンパスに、5000人を超える学生と教職員が集っている。設置者である学校法人北海道科学大学は、遡れば1924年に設置した自動車運転技能教授所(現:北海道自動車学校)を皮切りに、北海道自動車短期大学、当大学の直接の母体となる北海道工業大学や北海道薬科大学等を通じて、北海道における理系高等教育を担ってきた。 近年、その北海道科学大学が矢継ぎ早に改革を果たし、変革の時を迎えている。その一端は、本誌188号(2014年「進学ブランド力調査2014」CASE3)でも取り上げられているが、その後も着々と改革を進めてきた。北海道科学大学が近年果たした改革を生み出した土壌、そして、本特集に大きく関わる入試改革とその成果、及び今後の方向性についてうかがうべく、戸田貴大・入試広報センター長、菊池明泰・同副センター長、蔵野雅行・入試・地域連携部長、佐々木卓也・入試課長を前田の地に訪ねた。学校法人北海道科学大学は設置100周年に向けて、上述の通り、様々な改革を進めてきた。188号での紹介の後の展開も交えて少し振り返ることにしよう(図1)。2014年、伝統ある北海道工業大学から北海道科学大学に校名が変更された。と同時に、保健医療学部の設置を機に3学部体制への移行がなされ、改革の道のりを行くこととなった。2018年度には、同法人設置であり、かつ、既に2015年度から前田キャンパスに移転してきていた北海道薬科大学との統合が行われ、現在の4学部体制での新生・北海道科学大学の陣容が整った。こうした改革の根底には、18歳人口減少の時代を迎え、「工学部を志願する学生が減ってきて」いたこと、工学系だと男性が多くなる傾向があるなかで女性も入ってくる学部がなければ「このままだと先細りになってしまうのではないか」という危機感が横たわっていたと、戸田センター長は語ってくれた。北海道の高校生に高等教育機会を提供し続けてきた北海道工業大学にしてみれば、この危機感は日に日に切実さを増すものであったことだろう。こうした危機感をドライビング・フォースとして、先述の大学統合やUniversity Identityの策定、後述の新ガリレオ入試、そして、全入試区分でのインターネット出願への一本化等、様々な改革が実現に漕ぎ付100周年を志向した改革の土壌とはリクルート カレッジマネジメント214 / Jan. - Feb. 2019教職協働で取り組む育成型入試「新ガリレオ入試」が育む学びのコミュニティ入試広報センター長 戸田貴大 教授入試広報センター副センター長菊池明泰 准教授入試・地域連携部長 蔵野雅行氏入試課長佐々木卓也氏北海道科学大学3

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