カレッジマネジメント214号
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36リクルート カレッジマネジメント214 / Jan. - Feb. 2019産官学連携の走り「産学一如」本学は創設者中村治四郎が、「産学一如」を建学の理想として1960年に設立した大学です。産学一如とは、「産業と大学は、車の両輪のように一体となって、時々の社会のニーズを満たすべきである」という考えで、今で言う産官学連携の走りです。私自身も、15年前に民間企業より本学教員に転じましたが、産官学連携の重要さは日々実感していました。それを約60年も前に考えられた中村先生の先進的な発想に、昨年4月学長に就任し改めて脱帽しています。危機感の共有から教育改革へ本学の入学志願者は1990年には2万3000人に達していましたが2012年には約7000人に落ち込むなど長期低落が続いていました。そんな中、2011年3月に、九州電力から一ノ瀬秋久理事長が新たに就任され、現状への強い危機感を教職員と共有されたことで、ここから這い上がろうというスタートがようやく切れました。まず地方中堅私大としての存続条件に「教育の質の向上」と「地域社会への貢献」を定義し、2012年9月に教育改革基本方針「心身共に健全な国際的教養人」の育成を決定しました。具体的には、2013年に「KSUプロジェクト型教育」を導入しました。これは学部をまたいで、あるいは地域の方々や企業と連携して立ち上げたプロジェクトを通じて、実社会の現場の課題を解決するProject Based Learning(PBL)です。社会のニーズに応えられる人材の育成を目指す、本学の「産学一如」を具現化する教育です。2014年には「KSU基盤教育」を導入しました。1、2年生の全員が、全学共通で教養教育、外国語、専門基礎を学び、社会人として求められる基礎力を養います。さらに、2016年から創立60周年の2020年までの5年間を、創始者の思いを継承した「第2の創成期」と位置づけ、「地域密着型大学」を標榜した「中期事業計画」を策定、改革を進めています。大胆な学部再編と育成型入試の導入また、2013年度に学園将来構想検討会を設置し、教育・研究の質向上のために適した学部構成を検討、学部さかき・たいすけ氏1960年生まれ1985年 九州大学理学部数学科卒業(学士)1985年 (株)安川電機製作所(現安川電機)入社2002年 同 開発研究所 課長2003年 九州産業大学 工学部機械工学科 教授2004年 同 バイオロボティクス学科 教授2018年 九州産業大学 学長「第2の創成期」と位置づけ、地域密着型大学を目指した改革を推進九州産業大学 学長榊 泰輔

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