カレッジマネジメント215号
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13リクルート カレッジマネジメント215 / Mar. - Apr. 2019グローバル化の進展や技術革新によって、世界は大きく変容している。高等教育を見ても、世界は政治的に困難な要素を抱えつつも域内の単位互換や人的交流の制度的枠組みを作り、国境を越えて連携や協力、競争を加速し、国力強化と世界調和の動きを拡大している。学生の世界的Mobilityは年々量的拡大を続け、質的にも単なる留学には留まらずDouble/Joint Degree等の共同学位やCotutelle等の共同指導、さらには世界をキャンパスに学生が移動する大学まで登場する等、極めて多様になっている。研究においても、研究領域の拡大とともに国際協働は増えており、研究者コミュニティーも国境を跨いで拡大傾向にある。国内に目を向けると、予測困難な時代、人生100年と言われる時代において、昨年11月の中教審将来像答申にもある通り、これからはますます「多様性」がキーワードとなる中で、一個人の学びの過程であるアカデミックパスも、キャリアパスも複線的に多様であってよいし、大学生の年齢や国籍も典型層に限らず留学生や社会人等多様であってよい。いや、むしろ多様であるほうがイノベーション創出や多様性マネジメント力の向上という観点からは望ましい。これらを背景に、経済や環境、食糧や医療等現代社会の諸課題は一つの国だけで解決するのは困難である等、地方創生も含め「国際」は様々解決の糸口となり得るが、多様性・異質性あるものに対する日本社会の耐性や理解・認識は未だ道半ばであり、少子高齢化による労働力不足と入管法改正を巡る議論等は、まさにそうした状況をよく反映している。そうした中で、学問の自由を許される大学こそが、知識基盤社会における諸問題の解を導き出すべきであるとの社会的要請は日に日に増している。学術研究に国境はなく、大学は元来多様性や異質なものを受け入れるだけの寛容性を備えている。既存の枠組みや手法、価値観に捉われることなく、人類史を俯瞰し、世界の動きを意識し、新たな時代に求められるスキルを身につけた人材をどう育成し、世界レベルでの頭脳循環をどう実現するかといった視点を持って大学を経営・運営することが極めて重要であり、国の制度についても将来を見据えた変革が求められる。我が国の大学では、留学生の受入や送出しの活発化、外国語カリキュラムの充実、海外の研究者の招聘等、国際化に向けた取り組みは総体的には年々着実に進展している。Double Degreeの実績だけ見ても、学生の派遣もしくは受入実績があったのは計351件(国立114、公立6、私立231。平成27年度実績、文部科学省調査)となっている。文部科学省としても、大学の国際化を不可欠なものとして位置づけ、これまで幅広な支援を展開している。制度的には2014年にJoint Degreeを可能としたほか、補助事業として大学教育のグローバル展開力の強化策、留学現在の国際関連施策の現状文部科学省高等教育局視学官・大学改革官佐藤邦明日本の高等教育の国際展開──成果とこれから世界に開かれた大学に向けた経営を寄稿
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