カレッジマネジメント215号
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18昭和女子大学は、2020年に創立100年を迎える女子大学である。20世紀の間は「良妻賢母教育」を標榜し、評価も頂いてきたが、21世紀の社会を生きる女性にとって必要な力を身につける教育とは何かという課題に向き合ったとき、さらなる変革に取り組む必要があった。社会が大きく変化する中で、女性達は、夫や子どもを通じてのみ社会とつながるという生き方ではなく、自分自身が社会と直接つながり、社会から必要とされ、社会を支え、経済的にも自立可能な存在にならなければならない。私自身、公務員としてのキャリアを通じて、女性の社会的役割に対して政策的に取り組み、わが事としても実感してきたことである。社会を見渡せば、大変な勢いでグローバル化は進んでいる。にも拘わらず、「真のグローバルプレイヤー」といえる人材は枯渇している状況である。社会参加において、いわばレイトカマーである女性は、男性が多く活躍し飽和状態にある分野ではなく、性差に捉われず人材需要が圧倒的に大きい分野でこそ活躍が期待される。そこで私達は、グローバル社会で求められる力の育成が重要であると捉え、グローバルで輝ける人材を育成する大学を目指そうと決めたのである。一方、全寮制の海外キャンパスである昭和ボストンの開設(1988年)や中国の上海交通大学との協定締結(1992年)等、国際化への取り組みをそれまでにも進めてきたことは、私達の「資産」でありアドバンテージでもあった。それらを生かし、2013年にはグローバルビジネス学部を開設、2013年〜2017年のグローバル人材育成推進事業も私立女子大学で唯一採択される等、グローバル人材育成のための挑戦を進めてきた。そして昭和女子大学は2019年8月にキャンパス内に建設した新校舎を、米国ペンシルベニア州立テンプル大学日本校(以下TUJ)と共有し、「スーパーグローバルキャンパス」を実現させる。日米のキャンパスを同一敷地内に置くのは日本で初めてのことである。TUJは、本校と同じカリキュラムで、同レベルの学修成果を目指す大学であり、昭和女子大学の学生は、日本にいながら米国の教育を受け単位を取得できるようになる。この「スーパーグローバルキャンパス」創出の構想は、TUJ学長であるブルース・ストロナク氏と私との会話から5年ほど前に始まったものであった。昭和ボストンへの留学では、2年次に半年間英語を学ぶのだが、帰国後の英語力のフォローアップが当時の課題だった。一方、TUJでは東京・港区で30年以上教育をし、英語によるビジネスパーソン対象の公開講座等優れた活動をしていたが、日本での認知をさらに高めるため、よりよい教育提供の場を求めていたことから、双方の課題を解決し、特色や強みを生かした連携ができないかと検討をスタートしたのである。まずは、科目等履修プログラムの協定を締結し、テンプル大学との提携は、「時間を買う」戦略リクルート カレッジマネジメント215 / Mar. - Apr. 2019テンプル大学との連携による「スーパーグローバルキャンパス」昭和女子大学理事長・総長坂東 眞理子テンプル大学日本校(TUJ)についてテンプル大学は、1884 年米国ペンシルベニア州フィラデルフィアに創立。テンプル大学日本校は、海外大学の日本校第1号として1982年に創立された。現在日本に立地する唯一の米国の 4 年制州立大学。学部課程・専攻学科は、アート学科・アジア研究学科・コミュニケーション学科・経済学科・教養学科・国際関係学科・国際ビジネス学科・日本語学科・政治学科・心理研究学科。現在は東京都港区にある。《昭和女子大学の挑戦》グローバル人材という性差に捉われないキャリア

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