カレッジマネジメント215号
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22リクルート カレッジマネジメント215 / Mar. - Apr. 2019争的資金に採択されたことが、さらに弾みをつけたといってよいだろう。デュアル・ディグリー・プログラムの嚆矢は1994年のワシントンD.C.にあるアメリカン大学との間の締結である。国際関係学部からはじまったこのデュアル・ディグリー・プログラムは、現在、立命館大学の8学部とアメリカン大学5学部の間に広がっている。これは学士課程のプログラムとしては国内初であった。双方の大学の学生は、最低2年間派遣先の大学に留学し、履修要件を満たせば最短4年間で2つの大学から学位が取得できる。2つ目のデュアル・ディグリー・プログラムは2009年から開始した立命館大学国際関係学部とサフォーク大学文理学部政治学科国際関係コースとの間の国際関係学に特化したプログラムである。これも双方の学生は相手先の大学への2年間の留学によって、2つの学位が取得できる。それに続いたのが、2014年に情報理工学部が大連理工大学と共同で開設した「大連理工大学・立命館大学国際情報ソフトウェア学部」である。これは一般的なデュアル・ディグリー・プログラムとは、やや異なる仕組みで作られている。まず、日中の大学の共同による上記名称の学部の設立・運営のもとにあるプログラムということにある。オフィスは大連理工大学内にあり、このプログラムでデュアル・ディグリーを取得できるのは、大連理工大学に入学した中国人学生のみである。中国において1学年210名を募集し、そのうち40名が立命館大学の3年次に転入し、デュアル・ディグリー・プログラムのもとで2つの学位を取得する。使用言語は日本語である。残る170名は大連理工大学の学位を取得する。こうした設立・運営方式は日本初、中国の国立大学でも初の試みである。G30の時の提携校であった当該大学からの申し出によって5年ほどの協議を経て開設に至り、中国の制度に則り、教員、科目、単位の3分の1は立命館大学が提供している。4つ目が、2019年4月開設のグローバル教養学部でのオーストラリア国立大学とのデュアル・ディグリー・プログラムである。そもそも、グローバル教養学部は学部設立過程においてオーストラリア国立大学とのデュアル・ディ多様な学士課程共同学位プログラムを展開グリー・プログラムとすることを念頭において設計されており、このこと自体が日本初である。立命館大学に入学した学生は1年間のオーストラリア在留が求められる。また、全ての科目は両大学が共同して開講し英語で提供され、デュアルといいつつ立命館大学側からすれば、ジョイント・ディグリーに程近いプログラムといってよいだろう。さて、次が日本初のジョイント・ディグリー・プログラムである。これは2018年からはじまった国際関係学部とアメリカン大学との間での「アメリカン大学・立命館大学国際連携学科」である。両大学の共同で新たに編成されたプログラムのもと、両大学の連名による学位記が授与される。これだけ多様な共同学位プログラムが設置されたのは、全学的な方針なのかという問いに対し、仲谷総長は、「立命館はグローバル化をミッションとしていますが、共同学位の締結に関しては、各学部の学問の性格や問題意識から各学部独自に必要な方向性を決めてきました。それを個々の学部の取り組みにとどめず、大学全体の教学のグローバル化につなげてきたことが本学の特長だと考えます」と話す。これだけ工夫を凝らしたデュアル・ディグリー、ジョイント・ディグリーに加え、表に示した日中韓の学生が3カ国を2年間移動しながら共に学ぶ文学部のキャンパスアジア・プログラム、政策科学部や情報理工学部の英語で学ぶ専攻・コースといった国際教育の多様性にも頷ける。しかし、ここで1つ疑問が湧く。それぞれのプログラムの内容は目を見張るが、果たして、この要求水準を満たす学生がどの程度いるのかという疑問である。デュアル・ディグリー、ジョイント・ディグリーへの出願要件として、TOEFLやIELTS等の英語能力が問われる。それも、派遣先の大学へ早くて1年次、遅くとも2年次には出発せねばならない。その時までに、英語による授業についていけるだけの英語力を、学生は身につけることができるのか。決して容易なことではない。立命館大学の場合、それをクリアする学生の一定数は附属校からの学生だとい変わる学生、変わるキャンパスの風景
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