カレッジマネジメント215号
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24明治大学はこの10年、学生の海外への送り出しを中心に国際化を急速に推進してきた。大規模大学だからできること、大規模大学ゆえの難しさがあるなかで、どのように変革を進めてきたのか。国際交流担当副学長の大六野耕作先生にお話をうかがった。明治大学の国際化は2009年の文部科学省の「国際化拠点整備事業(グローバル30)」採択を契機に急速に進行した。2008年に国際日本学部が設置されたのも象徴的な出来事だった。筆者は2009年に当時の納谷廣美学長にお話をうかがったことがあるが(本誌159号)、世界に開かれた大学を目指すと語っていたことを印象的に覚えている。図1には留学生受け入れ数、図2には海外への送り出し数を示したが、2009年度当時年間355名にすぎなかった送り出し数は2017年度には1796名となり、9年間で約5.1倍に増加した。最新の数値によれば、送り出しのうち、短期は1312名、長期は484名、留学生の受け入れは2077名で、在留資格が留学の学生が1621名、在留資格が留学以外の学生が456名となっている。明治大学の学生数は約3万3000名であるが、1年間に約1800名が海外に行くということは、4年間で7200名、つまり5人に1人ほどが海外に出ている計算になる。海外への送り出し数は、日本の大学トップクラス規模にまで拡大したことになる。10年前には、学生は内向き志向で海外に行かないという議論が盛んになされていたが、大六野副学長は本来的に学国際化の10年生が内向きなのかに疑問を抱いたという。日本の就職慣行の問題、1980年代後半からの日本経済の停滞という環境の中で、学生達が海外に出るよりも国内で一所懸命就職することに意識が向いたこと、財政的な負担が大きいという3つの阻害要因があるからではないかと分析した。学生達がこうした大きなハードルを越えていきなり長期留学に行くとは考えにくく、3段階のステップを考えた(図3)。第1段階は短期留学。たとえ2週間程度でも異文化に触れることで、気づき(self-awareness)を得る。最近の学生について、しばしば「3m範囲の人間関係」といわれるが、短期間でもそこから離脱することで、自分の位置づけを知ることができる。第2段階は、サマーセッションや協定校への1セメスター留学をすることである。そうした経験を通じて、自らの目標が明確になり、そこから、具体的なキャリアパスも見えてくる。第3段階は長期留学で、明治大学の場合は、1年間の協定留学、ダブルディグリー(明治大学と相手先大学の学士課程の2つの学位を取得)、デュアルディグリー(4+1あるいは3+2の5年間で、明治大学の学士と相手先大学の修士を取得)プログラム等がそれにあたる。実際のデータを見ると、短期留学に行った学生の約3割は2回目の留学に出かけ、そのうちの7割は長期留学を志海外留学を増やすための3ステップモデルリクルート カレッジマネジメント215 / Mar. - Apr. 2019協力・融合をキーワードに国際化を推進大六野耕作 副学長2明治大学
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