カレッジマネジメント215号
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25特集 高等教育の国際展開向しており、この3ステップモデルは有効だという。図2に示したように、海外への学生の送り出しは、最初の5〜6年は伸びたものの、2011年は東日本大震災、2014年は円安の影響等があり1000名前後で伸び悩んだが、2015年ごろからテイクオフし始めた。また、日本学生支援機構に申請し、短期留学にも助成金を付け、留学のハードルを下げることに成功している。大学独自の助成制度も準備し、申請者に最大30万円の経費助成、また、授業料負担型の交換留学には最大1年間分の明治大学の授業料を助成している。国際化推進については理事会・教学側の意見は一致しており、厳しい大学財政のなかでも国際化の予算は増加している。一昨年には、「海外トップユニバーシティ留学奨励助成金」制度を導入し、ハーバード、スタンフォード、ケンブリッジといった世界ランキング20位以内の大学に留学する学生約5名を対象に、1学期最大300万円、カリフォルニア大学サマーセッションやダブルディグリーに挑戦する学生(約35名)には、1学期最大100万円を支給している。2018年にはこの枠を大きく超える申請があり、財政的ハードルが下がれば積極的に留学に挑戦する学生が出てくることが分かったため、学内でも助成制度の拡充を進めるべきという意見が多いという。短期留学は、大学自体で提供しているものがおよそ100近くになる。短期留学というと、語学研修や文化交流といったものが一般的には主流で、もちろん明治大学にもそうしたプログラムもあるが、それぞれの学部の教育目標にあった学修を英語で学ぶことを目指している。つまり、「英語を学ぶから英語で学ぶ」ように早く移行しようと、協定校テイラーメードのプログラム開発とテイラーメードのコースを作る等の努力をしてきた。大六野副学長は、政治経済学部で6年半学部長を務め、G30、グローバル人材育成推進事業(GGJ)を推進してきたが、例えば米国ノースイースタン大学の政治学部とは2008年から連携し、アメリカの政治・経済・社会に関する16コマ程度の講義を行ってもらっている。1988年の民主党大統領候補であったマイケル・デュカキス教授をはじめ優秀な教授リクルート カレッジマネジメント215 / Mar. - Apr. 2019図1 外国籍留学生数(受け入れ)の推移05001000150020002500201720162015201420132012201120102009(人)(年度)※2015年度からは,年度の延べ人数を計上している。(2014年度以降は遡って修正済)8108746410211092711114120288125615412851188157038212311603372134017333931448189444616212077456外国籍留学生(在留資格「留学」)外国籍留学生(「留学」以外の者)0500100015002000201720162015201420132012201120102009(人)(年度)図2 海外留学者数(送り出し)の推移※休学留学者含む※短期留学とは「3カ月未満」、長期留学とは「3カ月以上」の留学期間をさす※2013年度より、年度の延べ人数を計上している。29835557447595148563764201671959288829100918076497421093712523151007150349613121796484海外留学者数(短期)海外留学者数(長期)図3 海外留学の3段階ステップ第1段階短期留学で異文化に触れる→気づきを得るSelf-Awareness第2段階セメスター単位の留学→自分の目標がわかるCompetitiveness感覚第3段階長期留学→本格的に取り組むCareer Path

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