カレッジマネジメント215号
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38リクルート カレッジマネジメント215 / Mar. - Apr. 2019国公立の人気が高い理工学系分野であるが、関東では東京工業大学が7系統中4系統で1位と、圧倒的な強さを見せた。関西はそれと対照的に、多様な大学が分野ごとに強さを発揮し1位を獲得した。医療3系統では、関東では北里大学・杏林大学が、関西は大阪大学・大阪府立大学がそれぞれ1位を分け合う結果となった。●理学あらゆる科学の基盤となる分野と言われる理学だが、ランキングは国公立と有名校が上位を占める。関東1位は東京理科大学(7.1%)、2位千葉大学(6.1%)、3位東京工業大学(5.2%)と偏差値難関校が並ぶ。関西1位は大阪市立大学(12.0%)、2位京都大学(9.0%)、3位大阪大学(8.8%)と理学部を持つ国公立がトップスリーである。●生物・農・獣医・林産・水産食糧自給問題や食の安全保証等、全人類的な課題解決に期待が集まる分野。関東は幅広い自然科学分野を網羅する東京農業大学が1位(9.8%)。2位は理学部と園芸学部を持つ千葉大学(5.1%)、次いで生物資源科学部を持つ日本大学と農学部を持つ明治大学が同率で3位(4.7%)となった。関西では1位神戸大学(9.3%)と2位近畿大学(8.7%)は農学部を擁している。3位は大阪市立大学(6.6%)となった。●工学(エネルギー)エネルギーを効率的に利活用する技術や新エネルギー開発研究を行う分野。関東1位は東京工業大学(9.7%)、2位千葉大学(6.3%)、3位東京大学(5.8%)。学問の特性上、私大優勢の関東であっても国立が上位である。関西1位は大阪大学(14.2%)、2位神戸大学(11.2%)、3位大阪市立大学(10.4%)まではスコアも10%以上と高く、事実上の三強となっている。●工学(機械)関東1位は東京工業大学(7.7%)、2位千葉大学(5.6%)、3位東京大学(5.3%)と続き、工学(エネルギー)ランキングと同順であるが、4位芝浦工業大学(5.0%)が私学ではトップとなった。関西は1位大阪大学(12.0%)、2位大阪市立大学(11.6%)、3位神戸大学(9.7%)と続き、4位に関西大学と近畿大学が並んだ(5.1%)。●工学(電気・電子・情報)エネルギーや通信に関わり、近年エンジニア人材ニーズが高い分野である。関東1位は東京工業大学(8.0%)。2位は芝浦工業大学(5.9%)、3位東京大学(5.7%)となった。関西1位は大阪大学(12.0%)、2位大阪市立大学(8.5%)、3位神戸大学(8.1%)と国公立が並んだ。関西は上位のスコアが関東に比べて高く、志望が分散せず人気が比較的集中している様子が見える。●工学(建築・土木)東日本震災復興需要や東京五輪開催等を背景にした業界の好況を反映してか、昨今人気が上昇している系統。関東1位は東京工業大学(7.7%)、2位日本大学(6.5%)、3位早稲田大学(6.1%)と伝統校が並ぶ。関西1位は建築学部を擁する近畿大学(13.1%)、2位大阪市立大学(11.2%)。3位大阪大学(9.8%)となった。●工学(その他)これまでの工学系上位校と概ね顔ぶれは変わらず、関東は1位東京大学(7.1%)、2位は芝浦工業大学・筑波大学・東京工業大学が並んだ(6.0%)。関西は高い研究力を有する大阪大学が17.5%と圧倒的なスコアで1位となり、2位大阪市立大学(9.8%)、3位神戸大学(8.4%)以下、5位まで国公立が占めた。●医療・保健・衛生医学部の有無に拘らずコメディカルを標榜する大学が多くランクイン。関東1位は北里大学(8.0%)、2位杏林大学(3.3%)。3学部で当該分野を網羅する帝京平成大学が3位(3.0%)に入った。関西1位は医学部に医学科・保健学科を持つ大阪大学(5.7%)、2位は地域保健学域に幅広い医療系学類を持つ大阪府立大学(4.7%)、3位は健康科学部に医療技術系学科を擁する京都橘大学(4.0%)が入った。●薬学関東は1位北里大学(8.0%)、2位千葉大学(5.3%)、3位慶應義塾大学(4.8%)。いずれも6年制と4年制を併設する大学であるが、必ずしも国家資格合格率が高い順というわけではない。関西1位は偏差値最高峰の一角である大阪大学(12.4%)、2位の大阪市立大学(9.6%)と3位の神戸大学(9.0%)は薬学部を持たないが、それぞれ医学「理学」「生物・農・獣医・林産・水産」「工学(エネルギー)」「工学(機械)」「工学(電気・電子・情報)」「工学(建築・土木)」「工学(その他)」「医療・保健・衛生」「薬学」「看護」分野

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