カレッジマネジメント215号
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49リクルート カレッジマネジメント215 / Mar. - Apr. 2019する就職合宿に加え、そこまでの3年あまりをどう過ごすかという観点で2015年度に始まったのが「東邦STEP」公務員コースだ。2017年度には教員コースも追加された。東邦STEP運営委員会の副委員長である松井慶太氏(入試広報課 課長補佐)は、「実は自分も本学が母校ですが、しっかり努力した高校生活を過ごしていれば、ここに入学していなかったと思います」と苦笑まじりに語る。「東邦STEPは、学生がかつての私のように、色々な意味で『事足りない』、という前提に立っています」。目標に対して逆算して行動できない、言い換えると自己管理能力が乏しい。やらされないとできないし、しかもメニューを消化するだけという姿勢。無目標・無意識で、基本的に頑張る気がない。これでは卒業後も社会で活躍するのは難しいのではないか。こうした学生に対する課題認識が東邦STEPの出発点となった。社会で活躍する人材のベーシックスキルとして、『目標に向かって努力しようとする姿勢』『目標に向かって行動できる習慣』という2つのコンピテンシーを設定。それを身につけるプロセスを松井氏は、「うたい文句は『勉強の部活』」とし、野球部の「部活」を例に説明する。「野球部は『目標』が甲子園で、その『勝負』は最後の公式戦です。最後の公式戦のために『能力確認』として練習試合が組まれ、『日々の活動』として練習がある。これを勉強に応用すると、『目標』は公務員・教員採用試験の合格。『勝負』は採用試験で、甲子園への公式戦と同じく一回勝負です。練習榊学長は語る。東邦STEPのもう1つの特色が、課外活動にも拘わらず、「放課後」ではなく正課の時間内に行うことだ。2019年度は毎週水曜日の4限めと5限めに設定されることになっている。一部の職員ではなく、教職員が全学的に取り組む象徴として「月曜から金曜までの、1限から5限」は重要なポイントなのだ。各学部はもちろんのこと、教務課、学生・キャリア支援課、学術情報課など東邦STEP運営への協力は多岐にわたる。時間割の調整は最大の教職協働といえるが、その一方で東邦STEPは、企画・運営ともに職員が主体で、教員が具体的に学生を指導することはほとんどない。「東邦STEPを含め、プログラムを一緒にやることだけが教職協働ではない」と松井氏は言う。「教員コースでいえば、学部ではいい教員を育てることに注力し、採用試験対策はこちらで預かる。相乗効果で学生により大きな変化を与えられるのが本当の連携だと思います」。教職協働の効果を高める役割分担試合にあたるのが資格挑戦。1年次9月にFP3級、1月に2級やその後の定期的な模試に挑戦させるのが『確認』で、『行動』は採用試験対策講座や講座外活動です」。部活のたとえをさらに続けると、東邦STEP顧問の松井氏は監督、採用試験対策に知見を持つ専門学校TACの講師はコーチにあたる。採用試験対策の予備校との違いはまず、上位概念として2つのコンピテンシーがあること。もう1つは、1年次から3年間にわたって取り組むことだ。「予備校の多くは3年次の1年間ですが、うちの学生の場合、いきなり予備校に行っても、講義に集中できなかったり、寝てしまったりするでしょう」(松井氏)。だからまず1年次で学ぶ「姿勢」を、2年次で意識的に頑張らなくても自然に取り組める「習慣」を作るのだという。そのため、1年次の9月には、講座外活動として1泊2日の合宿形式でのチームビルディングも実施している。「誰かに言われてやるのではなく、自分で課して、自分でできた、そういう好循環に持っていく」との意図で、学生たちにPDCAサイクルを示し、自分で回す姿勢作りをしているのだと、■3時間の集中力を養う東邦STEPは1限から5限内に原則2コマ連続(90分×2)の活動になります。本番を想定した集中力を養います。■資格試験へチャレンジ1年次の9月にFP3級、同じく1月にFP2級にチャレンジします。結果を受け止め、行動にうつす姿勢を作っていきます。7つのコースに分かれて学ぶ採用試験直前対策国家行政コース地方行政コース消防士コース警察官コース保育職コース小学校教員コース保健体育教員コース1年次STEP1 姿勢作り2年次STEP2 習慣作り3年次STEP3 実力養成4年次STEP4 自己実現東邦STEP 採用試験突破を目指す“勉強の部活”

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