カレッジマネジメント215号
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奥義への道  勝ち負けがない。競技を行わない。相手といたずらに力で争わない武道。それが合気道だ。道着である袴姿で武道場に集まってくれたのが、東京経済大学・合気道部の部員達だ。そのリーダーとして19名の部員を率いるのが主将の杉山賀彦さん。「合気道部の部員のほぼ全員が、大学入学後から合気道を始めた初心者からのスタートです。1年生の時は、指導を受け無我夢中に稽古に励み、2年生の10月になると昇段審査があり、級から段に上がり黒帯になれば憧れの袴をはくことができます」。競技を行わない合気道では、いわゆる試合形式での大会ではなく、演武会という形で大会が開催される。東京経済大学合気道部は11月に日本武道館にて行われる全国学生合気道演武大会で「連盟賞」を受賞するなど、高い評価を受けている。主将の杉山さんは合気道の魅力について語ってくれた。「いかに自分の力を使わずに相手を倒せるか。受けをとる側が、受けをとらざるを得ない形が理想といえます。動画などで見るだけでは、本当に倒しているのか、なぜ倒れてしまうのか、わからないと思います。ともするとわざと倒れているようにさえ感じてしまいます。体感してみないとこの不思議な感覚は理解しにくいものですね。まさに百聞は一見にしかずの武道だと思います。頭では理解できていても、実際には倒せない。相手の体勢をくずす流れをつかまなければ動かすことすらできません。本当に人の体とは不思議なものだと考えさせられてしまいますね」。そう話す杉山さんも主将に指名された時は部の責任を背負う不安もあったが「部員から頼りにされる主将」になろうと決めた。「部活動として居心地の良い空間にしたかったので、何かあれば、最後に頼ってきてほしいなと思っています」。杉山さんの代では、積極的に他大学との合同稽古にも取り組むことで、流派の違う技について新たな発見をしながら精進しているという。合気道を通して、人の心と体を読む独特の技を追求する彼らが、「奥義への道」を歩み、伝統武道を次世代に繋いでくれるだろう。(写真・文/西山俊哉)学生のリーダー東京経済大学 合気道部当代当代Vol.76杉山賀彦 さん(現代法学部現代法学科3年)主 将

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