カレッジマネジメント216号
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18リクルート カレッジマネジメント216 / May - Jun. 2019次に、編集部では、最近特に設置数が多い複合分野の変遷を視覚的に追うことができないか、1章に倣い設置数上位の組み合わせについて図表化を試みた。まず図表6に、2018年の複合学科設置数上位10位を、それぞれのライフサイクルをまとめて図表7に示した。それぞれ詳しく見ていきたい。設置数1位 教育学×保育・児童学(52件)ライフサイクル(図表7)で見ると現在衰退期であるが、募集定員は2008年3020人→2018年4581人と約1.5倍、志願者は2008年1万3765人→2012年1万8087人と約1.3倍になっている。グラフの通り、特に2008~2012年に成長した市場だ。市場を構成している大学を見ると、国立大学の教育学部が乳幼児領域を網羅しているケースと、女子大学の保育領域が改組等で初等教育も包含するようになったケースが多いようである。P.9にある通り、教育学は単独で見ると成熟期、保育・児童学は撤退期にある。撤退期にある保育・児童学に親和性の高い教育学という付加価値を付与することで成長トレンドに戻そうとしたとも見ることができそうだ。こうした学際において重要なのは教育コンテンツやその他リソースにおける「分野同士の親和性」であろう。設置数2位 栄養・食物学×健康科学(41件)ライフサイクルで見ると2016→ 2018年にかけて撤退期に入っているが、定点で見ると募集定員は2008年2100人→2018年2980人、志願者は2008年6662人→2018年1万4895人と大きく拡大した。既知の通り、「栄養・食物学」は管理栄養士や栄養士といった資格取得を軸にしたマーケットであるが、P.8にある通り単独では衰退期にある。その一方で健康科学と複合化し、マーケットを広げているのである。高齢社会を見据え、健康維持促進と食を掛け合せたマーケットで、極めて蓋然性が高い組み合わせと言えるだろう。設置数3位 電気工学×電子工学(40件)2012年から再成長予兆期に入っている分野。募集定員は2008年4214人→2018年3640人と減少するも、志願者は2008年2万4485人→2018年4万2252人と大きく拡大した。電気工学は単独では成長期、電子工学は再成長予兆期であり、単独も複合も市場拡大の兆しが見える。設置数4位 情報学×情報工学/スポーツ学×健康科学(36件)まず情報学と情報工学の複合分野は、2008年から長らく成長期である。募集定員は2008年2681人→2018年3553人、志願者は2008年2万3007人→2018年4万719人と大きく拡大した。次にスポーツ学と健康科学の複合分野は概ね右肩上がりに市場を拡大し、現在も成長期である。募集定員は2008年1985人→2018年3931人と1.9倍、志願者は2008年1万1410人→2018年2万5644人と2.25倍にも拡大した。設置数6位 機械工学×システム・制御工学(32件)再成長予兆期に入っている分野。募集定員は2008年3414人→2018年2508人と減少する一方、志願者は2008年1万7395人→2018年1万8282人と微増している。過去の水準を見ても、志願者が乱高下するようなフェーズはなく、粛々と進んでいる分野だ。なお、単独で見ると機械工学は撤退期、システム・制御工学は再成長予兆期にある。設置数7位 システム・制御工学×情報工学/日本文化学×語学(日本語)(23件)まずシステム・制御工学と情報工学の複合は再成長予兆期にある。募集定員は2008年2537人→2018年1211人と約半減、志願者は2008年1万779人→2018年1万2660人と増加している。いずれも第4次産業革命に大きく関連する分野であるがゆえに、どちらの分野も他の複合パターンでよく見られるようになっており、様々な複合パターンに分散傾向であることが推察される。次に、日本文化学と語学(日本語)の複合である。2016年から成長期に入っている分野だが、募集定員は2008年1856人→2018年1647人、志設置数上位の複合学科のライフサイクル

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