カレッジマネジメント216号
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26中村学園大学は、福岡市に立地する栄養科学部、教育学部、流通科学部と短期大学部の4学部からなる在籍学生数約4200人の男女共学の大学である。四年制大学に3学部4学科、短期大学部に3学科(食物栄養学科・キャリア開発学科・幼児保育学科)を有する。学園祖である中村ハル(1884-1971)により1954年に設置された福岡高等栄養学校を淵源に持ち、2014年に短期大学部が創設60周年、2015年に大学が創設50周年を迎えた伝統ある私立大学である。建学の精神の一つとして、教育研究の基本に「理論と実践の統合を図り、学問と生活の統合を重んじ、教育と研究に努める」ことを位置付けている。1965年に設置された四年制大学は、家政学部(2002年に栄養科学部栄養科学科に改組)から始まり、2000年に流通科学部流通科学科、2002年に人間発達学部人間発達学科(2011年に教育学部児童幼児教育学科に改組)を設置し、栄養・教育・ビジネスについて教育研究する大学として発展してきた。さらに、2017年4月に、栄養科学部に日本初となるフード・マネジメント学科を設置し、新たな領域を切り拓いている。今回、フード・マネジメント学科創設の背景やその特徴について、甲斐諭学長にお話をうかがった。福岡市には、福岡大学、西南学院大学、九州産業大学、九州大学という、学生数が8000人から2万人の大規模大学が複数あり、中村学園大学は、それらの大学に囲まれた場所に位置する。大規模大学との学生募集競争の中で、同大学は、短期大学・学部教育・大学院をそれぞれ、栄養・教育・ビジネスという3つの系統の領域で構成することで、理系・人文系・社会科学系を持つ「ミニ総合大学」として教育研究体制を構成してきた。大学としては、1958年の中村栄養短期大学からスタートし、1965年に四年制大学を開設してから2000年まで家政学部の単科大学であったこと、また、現在の学部構成の特徴から女子大学としてイメージされやすいが、創設時から男女共学であり、学生の2割は男子学生である。2017年に新設したフード・マネジメント学科は、同大学が総合大学としてさらなる発展を図る中で、短期大学部の入学定員を100名削減し、入学定員100名の新学科として設置されたものである。甲斐学長は、フード・マネジメント学科創設の背景について、「これまで、栄養科学では、台所に入ってきたものをどのように調理するか、それを食べたら人間にどのような影響があるのかを中心に扱ってきた。日本中・世界中から、食材をどのように調達していくのか、どのように食料の自給率を高めるか、つまり、どのようにして台所まで食品を持ち込むか、ということはあまり扱ってこなかった。しかし、現在の日本では、飲食料の最終消費額が76兆円にのぼる中で、食材を調理して食べる生鮮品等が占める割合は約15%。最終消費額の50%は加工品、35%は外食になっている。そこで、食品の加工や外食、流通につリクルート カレッジマネジメント216 / May - Jun. 2019食を取り巻く社会経済環境の変化を捉えたフード・マネジメント学科の創設甲斐 諭 学長中村学園大学2C A S E栄養科学と食に関するビジネスの両方が分かる人材を育成

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