カレッジマネジメント216号
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28リクルート カレッジマネジメント216 / May - Jun. 2019された食品の衛生管理の方式であり、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握したうえで、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去または低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法である。この手法は、国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され、各国にその採用を推奨している国際的に認められたものであり、わが国では、2018年6月の食品衛生法改正において、今後、原則として、全ての食品等事業者がHACCPに沿った衛生管理に取り組むこととされた(この法改正は3年以内に施行されることになっている)。そのため、HACCP管理者資格を得ることは、食品産業への就職の際に有利になるだけでなく、就職後にも役に立つためである。これらの教育方針から、フード・マネジメント学科が、食品産業の中で専門的な知識を実践に活用できる人材の育成に取り組んでいることが分かる。このような専門職として実践的な学科の新設は、中村学園大学の伝統に根付いたものである。それは、建学の精神として、「理論と実践の統合を図り、学問と生活の統合を重んじ」ることが重視されてきたことを背景に、管理栄養士や教員採用において高い実績を有してきたことにも表れている。具体的には、フード・マネジメント学科とともに栄養科学部を構成する栄養科学科では、西日本1位・全国2位の管理栄養士国家試験の合格者数(2018年度実績)を誇る。2018年3月卒業生では、223人全員が受験し、221名が合格しており、合格率は99.1%であった(管理栄養士養成課程の新卒者全体の合格率は95.1%)。卒業生全員が必ずしも管理栄養士になる学生ばかりではないにも拘らず、同大学では管理栄養士試験の全員受験を課しており、そのうえでの高い合格率であることは特筆に値するだろう。また、教育学部では、平成31年度小学校教員採用試験の受験者現役合格者が71名(現役受験者数107名中、延べ74名合格)であり、その合格率も高い。さらに、就職状況を見ると、2018年3月卒業生の大学全体での就職決定率は99.3%(就職希望者数683名)であり、高い就職率を誇っている。甲斐学長は、これらの高い成果の背景として、「高いレベルの良い教育を行っていること」「一人ひとりの学生を大切にしていること」の2つを挙げる。前者の「高いレベルの良い教育を行っていること」は、良い研究に裏打ちされた良い教育をすることを重視しており、そのために、毎年、教員の教育研究業績について評価を行い、研究を推奨していることにあるという。国家資格試験に合格するためだけの教育だけでなく、研究に基づいた高いレベルの教育を提供している。このような教育の成果は、文部科学省による「トビタテ!留学JAPAN」において、これまで8名の学生が選ばれており、2019年には、その留学成果報告会において最優秀賞を受ける学生を輩出したことにも表れている。後者の「一人ひとりの学生を大切にしていること」は、3年次から全ての学生をゼミに配属することで、一人ひとりを指導する体制をとっていること、さらに、管理栄養士試験に対しては、栄養科学科において、教員を配置した管理栄養士国家試験対策室を設置し、さらに管理栄養士国家試験対策委員会を設置して、組織的な対策を行うとともに、専任教員・助手によって、一人ひとりの学生に対して、個人指導を含めたきめ細かいフォローが行われていることが挙げられる。また、教員採用試験に対しても同様に、教育学部において教職課程委員会を中心に組織的な対策と、個人指導が行われている。組織的な取り組みとして、一人ひとりの学生を大切にする指導が行われているのである。このような一人ひとりを大切にする指導は、日常の学習指導として設置されているラーニングサポートセンターによる学習支援にも反映されている。ラーニングサポートセンターでは、高校教員経験者や中村学園の系列高校の教員によって、個々の学生の学習を高めている。特に、文理混合の学科であるフード・マネジメント学科では、高校まで文系であった学生が理系の授業科目に対する苦手意識を克服するために、ラーニングサポートセンターの役割は大きいという。「大きな大学に挟まれている立地の中で生き残るのは、一人ひとりの学生を大切にすることしかない」と甲斐学長はその重要性を強調する。このような高い教育成果や学生の就職実績から、甲斐学長は、「『食のナカムラ、教育のナカムラ、就職のナカム「就職のナカムラ」と高い志願率
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