カレッジマネジメント216号
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29リクルート カレッジマネジメント216 / May - Jun. 2019ラ』ということが広く浸透しており、高校の先生方がそのことを理解してくれている」と話す。そして、そのような高校からの評価は、志願倍率の高さに表れている。2019年度の入学試験では、3学部4学科全体で740人の入学定員に対して、のべ3555名の志願者があり、各学科共に、定員を大きく上回る志願者を集めた。推薦入試等を除いた試験入学選考の志願率をみると、大学全体で5.6倍、各学科は3.5〜7.3倍の倍率を有しており、各学科共に高い人気を維持している。なお、学生の出身地は、福岡県が中心であるが、九州全域から集まっているという。この背景には、学生のUターン就職においても就職率が高く、2018年3月卒業生のUターン就職決定率は、94.3%となっている(Uターン希望者141名中133名)ことが挙げられる。九州という地域でしっかりと評価されているのである。そして、図2からは、2017年のフード・マネジメント学科の創設により、志願者数が増加していることが分かる。新学科は、学生募集に成功していると言えるだろう。甲斐学長は、「新しい学科は、今までのところ、必要な修正をしながらうまくいっている」と話す。そして、「時代が変わる中で、今後も必要な修正をしながら進めていく」と、時代の変化に柔軟に対応していくことを見通している。同大学では、法人において3年おきに中期総合計画を策定しており(現在、第7期中期総合計画の1年目)、その中で様々な観点から目標・方法・成果をどのように実現していくかを検討している。計画的に運営しながら、柔軟に見直していく体制ができているのである。フード・マネジメント学科については、今後、学生が3年次、4年次となり、就職活動の時期を迎えるにあたって、九州地域での就職先だけでなく、関西や東京に送り出していくことも視野に入れているという。そのために、産業界での認知度を高め、企業との連携したインターンシップや研修を関西や関東に拡張していくことを検討している。栄養や調理の研究者を有する大学として、全国的な大手食品企業からの研究開発の提携の打診もあり、それらを生かしていくことを想定している。九州は、人口規模では日本の10%であるが食料生産では20%を占めていることから、その原材料調達をも視野に入れて、食の専門家を有する中村学園大学に大手食品企業が提携を求めているためである。九州という立地の強みがそこにあり、それはまさに、原料調達から研究開発に至るフード・マネジメントの産学連携であると言えるだろう。中村学園大学が新たに設置した「フード・マネジメント学科」は、日本社会の食生活の変化の中で、新たに求められている食の専門的知識を有する人材を育成しようとするものである。実践を重視する建学の精神と50年以上の栄養科学の伝統を背景に持つものであり、このような日本初の学科を中村学園大学が創設したことは偶然ではないだろう。今後、完成年度を迎える中で、卒業生が社会で活躍し、さらなる産学連携が進むことで、同大学の取り組みは、九州地域を超えてさらに広く社会から注目されるようになるのではないだろうか。今後の展開が注目される。(白川優治 千葉大学国際教養学部准教授)3,2003,3003,4003,5003,6003,70005001,0001,5002,000(人)(人)20143,4703,4123,3503,5903,5953,55520152016201720182019大学 計大学 計教育学部流通科学部栄養科学部栄養科学科栄養科学部フード・マネジメント学科九州という立地の強みを生かしたさらなる産学連携特集 学部・学科トレンド 2019図2 志願者数の推移
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