カレッジマネジメント216号
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36リクルート カレッジマネジメント216 / May - Jun. 2019高大接続・連携の観点から大学・短大・文部科学省に期待することを聞いたところ、最も多かった回答は「わかりやすい入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)(43.8%)」、続いて「寮や奨学金、授業料免除の充実(42.1%)」「調査書等の電子化(39.9%)」であった(図表1)。大短進学率別にみると、進学率70%以上では2位に「主体性等の評価方法の明確化」「国が実施する英語4技能テスト」が40.5%で同率となっており、進学校ほど2020年入学者選抜改革に向けて課題となっている主体性評価、民間の英語4技能テスト対する不安が感じられる結果となった。また、「わかりやすい入学者受け入れ方針」は、進学率に拘わらず全体的に高い数値となっている。高校教員が大学に最も期待するのは、「わかりやすい入学者受け入れ方針」高大接続改革について1リクルート進学総研が1980年より隔年で実施している「高校の進路指導・キャリア教育に関する調査」は20回目を迎えた。今回は、「高校教育改革に関する調査」として大きく衣替えを行い、2月にその結果を発表した。高大接続改革の名のもと、学力の3要素の醸成、高校の学習指導要領の改訂、大学入学者選抜改革、大学における3ポリシーの導入等、100年に一度といわれる教育改革が進められている。こうした教育改革に対して、高校現場はどのように捉え、対応しているのか。そして高等教育機関には何を期待しているのか、その実態を探った。小林 浩 リクルート進学総研 所長リクルート『カレッジマネジメント』編集長■ 調査目的:全国の全日制高校で行われている教育改革(高大接続改革、新しい学習指導要綱、キャリア教育、進路指導、学校改革に関する取り組みなど)の実態を明らかにする■ 調査期間:2018年10月5日(金)〜10月27日(土)投函締切※10月31日(水)到着分までを集計対象とした■ 調査方法:郵送調査。校長宛に調査票を送付■ 調査対象:全国の全日制高校4703校■ 集計対象数:1203件(回収率25.6%)調査概要(%)010203040502018年 全体40%未満40~70%未満70%以上大学に期待するのは「わかりやすい入学者受け入れ方針」と「奨学金」わかりやすい入学者受け入れ方針寮や奨学金、授業料減免の充実調査書等の電子化就職実績の公開卒業時に身につく能力の明確化主体性等の評価方法の明確化わかりやすい学部・学科名称実際の講義・研究に高校生が触れる機会の増加国が実施する英語4技能テスト中退者(率)情報の公開入試の種類の抑制基礎学力を問う入試の拡大(知識・技能)大学・短大の情報公開の強化「第三者評価」のわかりやすい表現での公開国家試験等の合格率公開入学前教育の実施経営・財務状況の開示思考力・判断力等を評価する入試の拡大高校までの学習歴に関する情報を引き継ぐ仕組みづくりセンター試験(大学入学共通テスト)の複数回実施一般入試で調査書の積極的活用飛び級制度の実施その他無回答2018年 全体(n=1203)43.842.139.937.437.437.236.734.730.830.529.828.327.424.224.020.117.513.511.19.36.24.01.82.7大短進学率別70%以上(n= 541)40.737.933.830.134.940.538.136.640.526.634.927.427.924.222.016.616.116.811.58.54.33.31.72.840〜70%未満(n= 230)43.940.943.541.339.638.733.032.227.834.333.933.927.027.028.724.820.010.49.110.05.73.03.03.540%未満(n= 413)47.948.246.045.339.733.237.833.719.633.220.826.227.622.024.021.517.910.911.99.99.05.31.21.9図表1 大学・短期大学・文部科学省に期待すること【2018年】(全体/複数回答)高校教育改革に関する調査2018※「2018年 全体」より   10pt以上高い/   5pt以上高い/   5pt以上低い/   10pt以上低い ※「2018年 全体」降順ソート

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