カレッジマネジメント216号
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45リクルート カレッジマネジメント216 / May - Jun. 2019チャレンジ精神。そういった力は、常識が通用しない場所で、高い壁を乗り越えて、自分のパラダイムを変えるという経験から培われるものだと思いますが、過去においては、入社後に社内で時間をかけて醸成することができました。しかし今後は、企業と大学が協働でプログラムを実施し教育を行うことで、その育成が可能になるのではないでしょうか。留学やPBLなど非日常な体験に加え、一回一回の授業でちゃんとアウトプットさせるとか、約束は守らせるとか、遅刻はしないとか、自分を鍛え上げる機会を作るということが大切だと思います。とはいえ、企業がそういった協働をするか否かは経済合理性の有無に照らして判断します。例えば、その取り組みを通じて、自社内だけではできなかったプロダクトを生み出せるか、大学の研究視点からの示唆が得られるとか、あるいは学生の採用につなげられるかといったメリットがあるかどうかといったことです。また、学びを働くにつなげるという点で言えば、社会で実際に求められている人材についての理解を深めるために、プログラムに取り組む学生を、企業が産業界の視点で積極的に評価するということがあってもよいと思います。―企業にとって何らかの合理性がある前提で、大学と企業が協働して学生の育成ができることが理想ですね。ところで、学生達自身の思考や行動はどう変化しているのでしょうか。第一志望の企業に内定する割合は増えていても、入社予定企業に対する学生の納得度は下がっています(図5)。その背景には、社会で通用する人になりたいという成長志向が高まっているにも拘わらず、今やどの企業に入社してもそこで何が得られるのかが分からないというキャリアの不透明感があります。また、短期決戦であるが故に、悩み考えながら決定することができていないことも納得度低下の原因だと思われます。さらにより良いマッチングにおいては、自分を理解してくれているという実感と相互の信頼関係が大きく影響します。「なぜ君を必要としているのか」というメッセージを伝えるプロセスが何より大事なことなのです。― 採用の生産性向上は追求する一方で、学生が納得度の高い決定をするために、相互理解のプロセスを踏むことが重要ということですね。ありがとうございました。(文/金剛寺千鶴子)図5 【学生調査】入社予定企業や組織等へ就職することへの自己認識_納得している [就職先確定者/単一回答]あてはまる・計あてはまるあてはまらないN=1782N=1613N=20122019年卒2018年卒2017年卒どちらかというとあてはまるどちらかというとあてはまらないどちらともいえない25.726.728.941.747.247.624.420.916.95.93.65.22.41.51.467.473.976.5あてはまらない・計8.35.26.6(%)※1株式会社リクルートキャリア就職みらい研究所『就職白書2019』https://data.recruitcareer.co.jp/white_paper_article/20190225001/
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