カレッジマネジメント216号
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46リクルート カレッジマネジメント216 / May - Jun. 2019現在開会中の通常国会において「大学等における修学の支援に関する法律案」が審議されている。この法案は、いわゆる「高等教育の無償化」の実施に係る法案であり、文部科学省では、2020年4月からの施行に向けて、法案審議と並行しながら、細部を定める政令や省令の検討を進めている。(2019年4月9日段階)法案審議中であるため、内容に変更がある可能性はあるが、現時点での制度設計について、紹介したい。真に支援が必要な低所得者世帯の方に対して高等教育の無償化を実施する旨については、「新しい経済政策パッケージ(2017年12月)」や「経済財政運営と改革の基本方針2018(2018年6月)」といった閣議決定において示されてきており、これらを踏まえて関係閣僚において合意された「制度の具体化に向けた方針(2018年12月)」による具体化を経て、2019年2月、政府は、通常国会に「大学等における修学の支援に関する法律案」を提出した。また、法案審議と並行して、制度の細部を定める政省令についても検討を進めており、文部科学省では、法案成立後、速やかに制定する予定である。今回の制度の目的は、法案の第1条に掲げられている通り、低所得者世帯の方々であっても、社会で自立し、活躍することができる人材を育成する大学等に修学することができるよう、その経済的負担を軽減することにより、わが国における急速な少子化の進展への対処に寄与することにある。安心して子どもを産み、育てていくうえで、わが子が高校を卒業した段階で、仮に所得が低い状態にあったとしても、経済的な理由から進学を断念することなく、希望に応じて質の高い大学等へ進学できるという見通しが立つことは、非常に重要である。低所得者世帯は、高等教育段階への進学率が全世帯に比べて低く、家庭の経済的理由により進学を断念するケースがあると考えられることから、こうした低所得者世帯に対して、大学等における修学への経済的負担を軽減するものである。このように、今回の支援措置は、社会保障施策として実施されるものであり、その財源に消費税引き上げによる増収分を活用することとしている。具体的には、大学の学部、短期大学の学科・認定専攻科、高等専門学校の学科(4・5年生)・認定専攻科の学生、専修学校の専門課程(専門学校)の生徒であって、真に支援が必要な低所得者世帯の者に対し、①授業料・入学金の減免と、②給付型奨学金の支給を合わせて措置するものである。①授業料等の減免授業料等の減免は、それぞれの大学等が、以下の上限額まで授業料等の減免を実施し、それに要する費用が公費から支出される。高等教育無償化に関する制度と今後に向けたスケジュールについて──大学等における修学の支援に関する法律案について森下 平 文部科学省高等教育局大学改革官寄 稿これまでの経緯について制度の目的について支援の内容について
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