カレッジマネジメント216号
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47リクルート カレッジマネジメント216 / May - Jun. 2019②給付型奨学金給付型奨学金については、学生が学業に専念するため、学生生活を送るのに必要な学生生活費を賄えるような額として設定した以下の給付額(年額)を、日本学生支援機構が学生に対して直接支援する。これらの上限額・給付額は、住民税非課税世帯に対するものであるが、支援額の段差をなだらかにするため、住民税非課税世帯に準ずる世帯に対しても、住民税非課税世帯の学生に対する支援の3分の2または3分の1の支援を行う。法案では、これらの支援を「真に支援が必要な低所得者世帯の者」に対して行うとしているが、具体的な要件は次の通りである。①経済状況に係る要件(所得・資産)世帯(学生本人を含む。)の年収の合計により、支援区分(全額、3分の2、3分の1)を決定する。住民税非課税世帯は全額、年収目安300万円までの世帯は3分の2、年収目安380万円までの世帯は3分の1の額が支援される。ただし、世帯(学生本人を含む。)の保有する資産(預貯金、有価証券等)の合計が、家計支持者が2名の場合は2000万円、1名の場合は1250万円を超える場合には対象にならない。なお、支援区分は、日本学生支援機構が生計維持者及び本人のマイナンバーを活用して市町村民税の課税標準額から算出される額により決定する。このため、上記の年収はあくまでも目安であり、家族構成等の状況により、同じ年収であっても支援区分が異なることがあることに留意が必要である。また、支援区分は、進学後も毎年夏ごろに最新の課税標準額に応じて見直され、給付型奨学金の額に反映される。また、各学生の支援区分は大学等と共有され、大学等は支援区分に応じて授業料の減免額を変更することになる。②学業・人物に係る要件今回の支援を受けた学生が大学等でしっかり学んだうえで、社会で自立し、活躍できるようになるよう、進学前の明確な進路意識と強い学びの意欲や進学後の十分な学習状況をしっかりと見極めたうえで学生に対して支援を行うこととしている。進学前の高校3年生に対する予約採用に当たっては、申し込み時までの評定平均が3.5以上であるか、3.5未満であっても、それだけで否定的な判断をせず、高校等においてレポートまたは面談により学修意欲や進学目的等が認められれば対象となる。一方で、大学等への進学後は、その学習状況について厳しい要件を課し、これに満たない場合には支援を打ち切ることになる。具体的には、次のいずれかの場合には、直ちに支援を打ち切る。なお、その態様が著しく不良であり、懲戒による退学処分等相応の理由がある場合には支援した額を徴収することができる。ⅰ退学・停学の処分を受けた場合ⅱ修業年限で卒業できないことが確定したと大学等が判断した場合ⅲ修得単位数が標準の5割以下の場合国公立私立入学金授業料入学金授業料大学約28万円約54万円約26万円約70万円短期大学約17万円約39万円約25万円約62万円高等専門学校約8万円約23万円約13万円約70万円専門学校約7万円約17万円約16万円約59万円※高等専門学校の学生は、学生生活費の実態に応じて、大学生の5〜7割程度の額を措置国公立私立自宅自宅外自宅自宅外大学・短大・専門学校約35万円約80万円約46万円約91万円支援対象者の要件(個人要件)について

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