カレッジマネジメント216号
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53リクルート カレッジマネジメント216 / May - Jun. 2019関係性の中で、コミュニケーション力が身につくという考えからだ。対象となった学生は人間力が鍛えられ、「就職も大成功」だったと菅学長は言う。次に始めたのは、学生を地域に送る試みだった。「比較的、間接体験が多いと言われる今の学生にとって、直接体験が必要であると考えました。昨今の少子化問題は異世代間の交流による学びの機会も減少させていると感じます。人格を形成する上で最も重要な社会体験の一つであるこの体験と、物事を断片的に捉えることのないように理解できる体験できるプログラムです。例えば森林という現場に行くと、植林はただ苗を持っていって植えれば育つとは限らないことが分かる。また、学内外の多様な仲間との協働によって感じる『五感を使った教育』では、現場で他者と共に汗を流し、手と足を使うことが、必要なのです」(菅学長)。さらに「職場見学」を、「特別な準備2003年から準正課で行われていたキャリア教育の必修化や、アクティブラーニング的なキャリア教育として学部協働型のワークショップを導入、必修科目とすることを提言。また、「企業課題挑戦型プログラム」も教養基礎科目として立ち上げた。企業課題挑戦型プログラムは、企業に課題を提示してもらい、半年かけて10名前後のチームで取り組み、最終的に企画を提案する授業科目だ。人間力育成プロジェクトチームのリーダーで、現在は学長室長を務める吉村充功教授は、プログラムの狙いをこう説明する。「例えばラーメンチェーンから新しいメニューの企画という課題を頂きましたが、農学部とか食品系とかの学生がメニュー開発をするということではないんです。単に実物を作るのではなく、思想とか、仕事に関わっていく姿勢とはどういうことかとかを、リアルに体験してほしい」。成果を「社会人基礎力育成グランプリ」に応募する流れも作った。「そういう教育改革を進めながら、私が理事長になった2007年、教育理念の1つとして正式に、人間力の育成を打ち出しました」(菅学長)。同じく2007年、再編した教育理念を支える教育機関として、人間力育成センターを設置した。学生が活動できる多目的ルームを拠点に、地域・企業の現場での正課外活動に行く枠組み。メンターとして学生をサポートするのが、センター教職員の重要な役割の1つだ。一方、企業課題挑戦型プログラムの試みは、2014年度に文部科学省の大学COC事業の採択を受け、専門教はいらない、ただ会社の様子を見させてほしい」と地元の企業に依頼して進めた。「私立大学である本学の理念に賛同して入学した学生は、私立ならではの特色ある教育を求めているとも言えると思います。自分が本当にやりたいことを見つける作業を、手間隙をかけてもしなければなりません。学生は感受性が強いですから、現場をわずかな時間見ただけで、職場の雰囲気や企業風土を感じることができると思いました」(菅学長)。こうした取り組みを全学的な教育にするために、2007年、従来の教授会、評議会とは別に教職協働の「人間力育成プロジェクトチーム」を作った。後の学長室につながるプロジェクトチームだ。正課の中では教員に理解を得やすい教養科目の再編から着手し、既に正課の授業と正課外プロジェクトの両輪で育成1年次2年次3年次4年次専門教育科目副専攻正課外活動教養基礎科目「地域創生人材」育成のための学修サイクルとカリキュラムフロー大分学 ・大分楽学部協働型「地域づくり」副専攻「大分チャレンジアワード」への参加ステークホルダーとの協働による課題解決型学修課題解決に必要な知識の修得教養基礎及び専門教育科目の再編により地域への志向性を高めるプロジェクト科目やゼミナール、卒業研究で地域課題に取り組む体験交流活動地域に愛着を持ち、地域の魅力を感じる

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