カレッジマネジメント218号
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46最近はそうした機会もなかなかないかもしれないが、ろうそくで灯りを点すことになったとしよう。恐らく、多くの方が燭台の上に置かれることだろう。まさか枡の下に隠すことはしないはずだ。が、実はわれわれは気づかぬうちに枡の下に置いてしまっているのかもしれない。では、灯りを燭台の上に置いたら、どうなるのかが今回の話である。 CASE1としてご紹介するのは、青山学院大学である。“青学”といえば、音に聞こえたブランド校であるので、筆者の説明など要しないと思われるが、あえてご紹介すれば、2019年度現在で、11学部12研究科を擁する、全国的にも著名な私学のひとつである。東京都渋谷区という都会のまっただなかにありながら、静謐さも併せ持つ青山キャンパス、神奈川県相模原市にある閑静かつ美麗な相模原キャンパスと合わせて、約1万9000人の学生が学んでいる(2019年5月現在)。 本特集の調査が明らかにした通り、青山学院大学は高校生の目に魅力的に映っている。この結果をもたらした、青山学院大学が築いてきたものについてうかがうべく、初夏の青山キャンパスに三木義一学長、田中正郎副学長、橋本修副学長を訪ねた。本特集の冒頭の調査解説記事の通り、青山学院大学の「志願したい大学」としてのポジショニングは極めて良好である。男女別に見ても、男子では例年の4位から3位に浮上し、女子でも2位から1位へと躍り出た(P8)。文系では、2018年度の1位をはじめ、常に3位以上となっている。理系でも10位台前半を保ち、健闘を続けてきている。多くの方が、青山学院大学を、日本に古くからあるキリスト教系大学のひとつとしてご存じのことだろう。陸上競技がお好きならば、大学駅伝三冠(2016年度)、箱根駅伝4連覇(2015~2018年)の新鋭としてご存じかもしれない。才気にあふれる選手達のコメントの様子を記憶されている方もいるに違いない。しかし、多くの方は「便利な地にあり」「雰囲気がよくておしゃれ」というイメージで捉えているのではないだろうか。たしかに、このイメージも高校生にはしっかりと共有されている(P10〜「図表4 イメージ項目/関東」)。では、こうしたイメージはどのようにして生まれるのだろうか。たしかに、オープンキャンパスに来た高校生が、キャンパスや界隈を歩けば、便利でおしゃれと認識するのもそう不思議なことではないかもしれない。キャンパス内で特に目を引くものとして、AGU Book Caféを挙げることができるだろう。正門近くの7号館1階にあるAGU Book Café、通称「ななCafé」では、人文系・社会科学系の専門書や文庫、新書、語学書にとどまらず、洋書も揃っており、青学らしいラインナップである。(あえてこう言うが)イマドキの高校生なら「青学TV」※1からも大学の雰囲気を感じとるかもしれない。2017年にスタートし、2019年7月現在で視聴回数150万回に上る「青学TV」では、大学の日常風景が分かるチャンネル(「今週の青学」)や大学に縁のある話題の人物を取り上げるチャンネル(「青アンテナ」)等、多彩な情報発信がなされている。「青学TV」のコンテンツは、学生が中心となって制作されているからか、短いもので1分、長くても6分程度と、スマホ等で動画を見るのリクルート カレッジマネジメント218 / Sep. - Oct. 2019三木義一学長蓄積を基盤とし、さらなる輝きを目指す青山学院大学C A S E1高校生の目に魅力的に映る大学の姿とその背後にある仕掛け

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