カレッジマネジメント218号
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47が当たり前になった世代にとっては見やすいつくりだ。さらには、青学OBのYouTuberとのコラボも行っており、大学構内で隠れんぼをしたり、学園祭に潜入したりした動画の視聴回数は、合計10万回を超えている。オープンキャンパスに来られず、代わりとして見た視聴者がいたら、現地に行かずとも青学を身近に感じた者もいたことだろう。 さて、しかし、これらの取り組みは確かに親近感や好印象を与えるけれども、それだけでは「ここで学びたい」という意欲にはつながらない。お察しの通り、青山学院大学では両者を架橋する工夫がなされている。前述の「青学TV」には、青学での教育や研究を紹介するチャンネル(「アオ・ガク・モン」)がある。「今週の青学」等の動画に交えて、青学での最新の研究や学べることも分かるようになっている。あるいは「青アンテナ」で取り上げられる在学生やOB・OGの姿も、高校生にとっては、自身の未来の姿、ロールモデルとして、隠れたキャリア教育の効果を持つことだろう。また、「ななCafé」も、書籍売り場が段々と狭まることで品揃えもハウツー本等に限られてしまい、売れず、ますます狭まるという悪循環に陥っていたのを打破することを企図として整備されている。専門書や洋書が改めて取り揃えられたのも、ブックカフェであるのと同時に、それまで知ることがなかった知に出会う場所として、学びへの期待が込められているのである。オープンキャンパス等で店舗に立ち寄った高校生のなかには、学びへの期待を感じ取る者も出てくることだろう。これらの取り組みは、三木学長の言葉を借りれば、「おしゃれで素敵な大学」であったのを「おしゃれで素敵で“知的な”大学」へと変えるものであった。近年の青山学院大学が展開してきた打ち手の根底には、教育と研究へとつなげ、好循環を促そうとする視点が息づいている。さて、こうした好循環を促そうとする試みはほかにもあり、かつ、確立したビジョンがそれを支えている。法人全体でかかげられている「AOYAMA VISION」を受け、大学では10のアクションに取り組むことが2017年に定められた(図表1)。いずれもご紹介したいところだが、紙幅の関係から、今後のブランディングに特に関係してくるものを取り上げることとしたい。ひとつは、ACTION2「先端研究への挑戦と次世代研究者の育成」に基づいた、統合研究機構の設立である(図表2)。30年の歴史を持つ「総合研究所」に、「総合プロジェクト研究所」を併せるかたちで2018年4月に設置された。「総合研究所」は学内資金で、「総合プロジェクト研究所」は競争的外部資金に学内資金のマッチングファンド方式で運営される。図表2で分かる通り、バラエティに富んだ、そして興味を引く研究が並んでいる。「これからの研究の最先端となるもの」(橋本副学長)が選ばれている(ちなみに、青学TVを発展させたプロジェクト研究所も設置されている)。また、これから産学連携がますます重要となることに鑑み、「イノベーション・ジャパン2018」への出展や産学連携イベント「Meet up in AGU」の学内開催(相模原キャンパス)等、青山学院大学の研究成果について企業の理解も得るべく、積極的に打って出ていることを橋本副学長は教えてくれた。学内で取り組まれてきた研究を可視化し、さらなる発展の土壌となる点でも、統合研究機構というプラットフォームの役割は大きい。リクルート カレッジマネジメント218 / Sep. - Oct. 2019図表1 世界のAGUへのACTION 10ACTION1AGUアカデミック・シティー構想ACTION2先端研究への挑戦と次世代研究者の育成ACTION3地球公共精神の涵養と社会を支えるリーダーの育成ACTION4グローバル・プレゼンスの確立ACTION5多様化する教育ニーズへの対応ACTION6情報化時代における人文知の役割の模索ACTION7AGUで「日本の心を学ぶ」 ―国際日本研究の拠点作り―ACTION8青山グローバル・スタンダードの開発と展開ACTION9ライフプランを見据えた就職支援強化ACTION10知の発展を手助けし、学ぶものに寄り添う事務体制特集 進学ブランド力調査 2019前進を促すビジョン「AOYAMA VISION」
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