カレッジマネジメント218号
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62リクルート カレッジマネジメント218 / Sep. - Oct. 2019なり、8年ぶりの減少である。確かにインバウンド需要を背景に都市部の小売業等では採用を活性化している。しかし地方のスーパーや専門店では著しい新卒採用難の状況に直面し、大学新卒採用から、より直接的で短期間での効果が見込めるシニアや非正規人材の一層の活用へと舵を切っている可能性を指摘したい。また2019年4月1日公表の日銀短観によると、中小企業の小売業の先行き見通しが悪化している。消費税増税等に伴う、業績の不確実性等も影響した可能性がある。建設業と流通業の倍率が大きく低下したことによって、業種間による倍率差は縮小することとなった。最後に新卒採用活動における施策をみてみよう(図表5)。2020年4月入社の新卒採用活動において、以下の4つの施策を実施するかを企業に聞いた(1:インターンシップ参加者からの採用、2:従業員からの紹介、3:新卒扱いの対象拡大(年齢、卒年)、4:外国籍学生の採用)。前年と比較できるものに関しては、全ての項目で業種・企業規模を問わず前年より上昇しており、企業が人材確保のため様々な取り組みをしていることがうかがえる。インターンシップ参加者からの採用については、全体で58.2%の企業が実施しており、4つの取り組みの中で最も割合が高い。特に従業員規模1000人未満の企業でも半数以上が取り組んでいる。また業種別にみると、建設業が66.0%で最も高い。今回の中小企業や建設業への就職希望者数の増加等につながった可能性が高いとみている。従業員からの紹介については全体で37.2%と前年より5.6%ポイント上昇した。建設業が48.1%で最も高い。2010年3月卒2011年3月卒2012年3月卒2013年3月卒2014年3月卒2015年3月卒2016年3月卒2017年3月卒2018年3月卒2019年3月卒2020年3月卒(倍)(%ポイント)9.918.629.612.713.61.431.040.370.421.081.220123456789105000人以上1000~4999人300~999人300人未満0.0+5.0+10.0+15.0+20.02019年度2018年度2017年度(出所)リクルートワークス研究所「中途採用実態調査」重み増す企業の採用施策図表2 求人倍率の推移(従業員規模別)図表3中途採用見通しの「増えるー減る」の経年比較(従業員規模300人未満)1996年3月卒1998年3月卒2000年3月卒2002年3月卒2004年3月卒2006年3月卒2008年3月卒2010年3月卒2012年3月卒2014年3月卒2016年3月卒2018年3月卒2020年3月卒02468101214サービス・情報業金融業流通業製造業建設業建設業・製造業他12.579.551.970.450.430.280.211.976.2111.04(倍)図表4 求人倍率の推移(業種別)

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