カレッジマネジメント218号
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67リクルート カレッジマネジメント218 / Sep. - Oct. 2019木村学長は、時代の要請である「チーム医療」を全ての学部・学科で重視しているという。「医療現場で必要なチーム医療を講義で学ぶだけでなく、違ったジャンルの知識や専門性を持つ人達と具体的に交流する場を体験し、コミュニケーション技術を含めて身につける必要があります」。その実践を建学時から一貫して充実させているのが、医療保健学部だ。学部共通科目には、チーム医療を実践できる力を身につける「医療のコラボレーション教育」科目群がある。3学科の目指す人材像は専門性に応じて異なるが、「チーム医療に貢献できる人材」という共通性が表れているカリキュラムだ。医療栄養学科の北島幸枝准教授は、栄養の専門職のチーム医療への関わりについてこう話す。「栄養士・管理栄養士は、献立作成をして栄養管理をするのが業務の主体ですが、医療の現場で働く場合、患者さんの前に出ることが増えています。一般的には患者さんとの対応は主に看護師が担いますので、そこで自分達の専門性を生かして何ができるのか、どう仲間づくりができるのかということを、重要視しています」。医療情報学科で育成する人材像は、医療専門職ではなく、医療を理解できる情報の専門家という。瀬戸僚馬准教授はその背景について「ここ十数年で、看護師も管理栄養士も情報共有をするようになり、基盤となるシステム作りが一部入ります。入学してすぐのまっさらな状態で、自分達は何をしていくのかを考え、他学科がどんなことを学ぶのかをお互いに知ります」(木村学長)。4年生の夏に行う「協働実践演習」は、3学科の混成チームで、チーム医療の現場をシミュレーションし、グループワークと成果発表を行う演習だ。看護と栄養が各5名、情報が2名というのが標準の編成で、1グループは12~13名になる。この演習はカリキュラム上では1単位だけなので小さく見えるが、事前課題の学習から、チームアプローチの講義を受け、提示された課題に取り組んで、発表・振り返りまで、授業15回分を5日間で集中して行う濃密な科目だ。2018年の例では、「糖尿病を持つ生活者の支援」をテーマに、グループごとに掘り下げた。「3学科それぞれの専門知識を生かして意見を述べあい、1人の患者さんにどういう対応をしたらと、それを担う情報の専門家の重要度が増してきました」と話す。情報化社会では、医療保健を含む多くの仕事が、IT技術者の作る業務基盤の中で動いている。裏を返せば、もし情報の専門家が不適切なシステムを提供すれば、業務自体が不適切なものになりかねないという。「医療という業務への理解と、情報という専門性とが、うまくつながったらいいなと思っています」(瀬戸准教授)。コラボレーション科目群は必修で18単位あり、1年生から4年生まで3学科が同じカリキュラムで学ぶ。文字通り同じ教室で一緒に学ぶ時間としては、1年生前期の「キャリア教育I」の一部と4年生の「協働実践演習」が設定されている。「1年生の5月に全員参加で行う1泊の合宿研修に、キャリア教育Iの授業積極的にリーダーシップを取れる看護師を養成チーム医療を実践する「医療コラボレーション科目」キャリア教育Ⅰから協働実践演習へコラボレーションの基盤づくりコラボレーションの実践各学科の専門性を高めるキャリア教育 Ⅰ協働実践演習キャリア教育 Ⅱ・Ⅲ1st STEP2nd STEP3rd STEP4th STEP医療を担う者に必要な「人間」理解と「生命」への畏敬。そして、国際化、情報化に対応するための総合的な教育です。■いのち・人間の教育■社会学■自然科学■外国語■情報科学高い倫理観と高度な専門技術を持って医療の現場を担っていける人材育成のための基礎教育と発展教育です。医療現場で臨床、チームケアを実践し、現場に強い人材を育成していくためのプログラムです。3学科においてそれぞれの専門性を高め、将来を見据えた資格に対応したカリキュラムです。医療入門医療のコラボレーションの理解=他学科理解・基礎知識修得発展段階総合的な専門知識技術の修得等=他学科理解・発展的知識修得医療情報学科診療情報管理士医療情報技師医療栄養学科管理栄養士栄養教諭看護学科看護師保健師養護教諭医療コラボレーション教育の展開=臨床・チーム医療の実践

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