カレッジマネジメント219号
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18リクルート カレッジマネジメント219 / Nov. - Dec. 2019はオープンキャンパスで感じるという結果を得た(前述図表5)が、先生や先輩などの“人”、立地や実習室等のハード面といった特定のものではなく、安心感のある雰囲気をキャンパス全体で醸成できるかが重要であるようだ。ぜひ、学生を信頼しオープンキャンパスの雰囲気がガラッと変わった函館大学の事例を参考にして頂きたい。男女別では、15項目中14項目で女子のほうが高く情報収集に積極的である。特に「在校生の様子や雰囲気」「実際の授業の様子や雰囲気」でそれぞれ16ポイント、12ポイント男子を上回っており、女子高生にとって在校生とマッチしているかとリアルな学びの雰囲気は学校を選択する際の重要な関心事である。また「入試の方法や難易度」「取れる資格の内容や合格率」「学費や奨学金等の詳しい情報」等への関心も高い。入試方法別に見ると、AO・推薦入試層は、一般・センター層より「取れる資格」「就職状況」などの卒業後の進路に関することにより重きをおいてオープンキャンパスに参加している。次に、専門学校進学者について見てみる。知りたかったことのトップは「学校で勉強できる内容」(73%)、ついで「取れる資格の内容や合格率」(61%)、「実際の授業の様子や雰囲気」(61%)と続く(図表15)。学ぶ内容や雰囲気、取れる資格が上位に入●よかったところは『キャンパス見学』『入試』『資格・費用』次に、イベントのよかったところは、1位「キャンパスを見られたこと」(87%)、2位「施設・設備を見られたこと」(59%)、「学部学科・カリキュラムの説明」(41%)であった(図表14)。経年で見ると、『①キャンパス見学』と『②入試』『③資格・費用』への評価が2回連続高まっている。①キャンパス見学に関する項目「施設・設備を見られたこと」(51%→53%→59%)、「実習室や教室を見られたこと」(31%→31%→34%)、「キャンパスツアー」(24%→25%→26%) ②入試に関する項目「入試の説明」(31%→34%→38%) ③資格・費用に関する項目「取れる資格・支援体制の説明」(19%→22%→24%)、「奨学金の説明」(4.6%→5.6%→5.9%)。男女別に見ると、知りたいこと同様、女子が全体的に高く、多くの情報を持ち帰っているようだ。特に「学部学科・カリキュラムの説明」「在校生の話・対応」で高く、知りたかった情報をしっかりキャッチしている。AO・推薦入試層は「先生の話・対り、「キャンパスの雰囲気」は54%と低く、大学進学者とは求める情報の優先順位が明らかに異なっている。男女別だと、男子は「学校で勉強できる内容」と「どんな部活・サークルがあるか」が高く、女子は実際の授業、実習室や在校生の“雰囲気”に関応」のスコアが一般・センター層と一番差が大きく17ポイントも高い。「知りたかったこと」の期待に応えられているかの評価が「よかったところ」である。比較して見てみると、知りたかったことトップの「キャンパスの雰囲気」についてはよかったところもトップとなっている。2位の「学校で勉強できる内容」については、よかったところと評価が相関するであろう「学部学科・カリキュラムの説明」「模擬授業」のスコアが3位と6位で十分には伝わっていないことがわかる。●学部学科名称の複雑化、入試での評価の多様化、アドミッション・ポリシーを踏まえた入試改革等、高校生にとって情報のキャッチアップは至難の業である。高校教員も同じく、全てを把握する難易度は年々増しており、「オープンキャンパスで自分の目で確かめてきなさい」という指導になる。オープンキャンパスは高校生の疑問・不安が解消される場として高校現場からの期待も大きい。する項目が高い。大学進学者同様、雰囲気を重視するのは女子の特徴と言える。イベントのよかったところは、1位「キャンパスを見られたこと」(67%)、2位「施設・設備を見られたこと」(66%)、3位「先生の話・対応」専門学校主催イベントの評価知りたいのは「取れる資格」、よかったところは「先生の話が聞けたこと」
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