カレッジマネジメント219号
26/60
26リクルート カレッジマネジメント219 / Nov. - Dec. 2019【進路選択の際、困ったことはありましたか】・入学定員厳格化で倍率が高く、滑り止めを選ぶのに困った。・定員厳格化と2000年生まれが多いという2つの圧力があったので、倍率が高くて、レベルを下げた。・定員削減・模試の判定が信じられない。・センター試験の点数がでて、第一志望校に挑戦するか非常に考えました。ボーダーには少し足りていなく、再来年に入試制度が変わることもあり浪人はしたくなかったので結局第二志望校を受験することになりました。受かったのですが、第一志望校を受験できなかった悔しさは残っています。フリーコメント【図表22】入試方法別の進学先検討時の重視項目差(大学進学者/複数回答)一般・センター層はAO・推薦入試層よりも、「偏差値が自分に合っていること」「有名であること」を重視する傾向020406080100020406080100AO・推薦入試・計大学進学者全体一般・センター・計(%)調査数学びたい学部・学科・コースがあること校風や雰囲気がよいこと自分の興味や可能性が広げられること就職に有利であること自宅から通えること将来の選択肢が増えること資格取得に有利であること偏差値が自分に合っていること学習設備や環境が整っていること学生生活が楽しめること勉強するのに良い環境であること教育方針・カリキュラムが魅力的であること入試方法が自分に合っていることキャンパスがきれいであること卒業後に社会で活躍できること伝統や実績があること社会で役立つ力が身につくこと専門分野を深く学べること交通の便が良いこと有名であること2019年 大学進学者全体2071 80.4 47.9 46.6 45.0 38.6 36.7 36.6 36.2 34.3 33.9 31.9 30.8 29.8 27.9 26.8 26.0 25.7 25.4 23.8 23.3一般・センター・計1179 79.6 45.8 44.9 44.2 34.8 36.1 31.9 42.6 32.9 32.5 33.4 29.4 31.7 25.4 25.5 28.2 24.9 23.2 24.1 27.2AO・推薦入試・計809 82.4 52.0 50.1 46.7 44.0 38.2 43.6 27.9 36.5 37.1 30.4 32.3 27.1 31.9 29.2 24.1 27.9 28.6 22.9 18.2一般・センター-AO・推薦入試差- 2.8- 6.2- 5.2- 2.5- 9.2- 2.1- 11.7 14.7- 3.6- 4.6 3.0- 2.9 4.6- 6.5- 3.7 4.1- 3.0- 5.4 1.2 9.0「一般・センター-AO・推薦入試差」が5ポイント以上高い「一般・センター-AO・推薦入試差」が5ポイント以上低い※「2019年大学進学者全体」の上位20項目望順位別に「最終的な入学校を決めた時期」を前回2016年調査と比較した(図表20)。AO・推薦入試層は11-12月の決定者が増えているが、年内には決定しており大勢に変化はない。しかし、一般・センター層では年明け、特に3月決定者が増えていることが分かる(2016年:30%→2019年:44%)。2019年の私立大学の一般入試志願者数は375万人で前年に続き増加しているが、定員厳格化による私立大学入試の難化に加え、2021年度からの新入試を前にした現役志向、安全志向の高まりも重なって年内入試で確実に合格を目指す従来からの動きと終盤まで粘る動きの両方が顕在化した。●41%は高校3年の10月以降に 第二志望決定そもそも、第一志望校と第二志望校を受験校に決める時期はどうなっているのか(図表21)。高校3年生の夏に向けて受験校決定を本格化させるが、10月以降の第一志望校決定は22%に対して、第二志望校決定は41%であった。第二志望校の学校に関心を持ち、資料請求をして、受験校に決定するといった一連の行動を、半数以上の高校生が高校3年生になってから短期間で実施している。このような状況になると、第一志望校に合格できず、第二志望の学校に入学するいわゆる不本意入学者が増えている可能性がある。一般・センター層はAO・推薦入試層より「偏差値が自分に合っていること」(+14.7ポイント)、「有名であること」(+9.0ポイント)を重視する傾向にあり(図表22)、学校の教育内容を十分に調べず、また第二志望校に入学した高校生の中には前向きな気持ちを抱けず学生生活をスタートしている学生もいる。「学生1人ひとりの個人を大切にする」をモットーに学生主体の受験生向けプロジェクトを企画した神戸女子大学を事例として紹介している。在校生だからこそ寄り添える、入学した高校生全員が満足して卒業するまでの様々な取り組みに注目だ。
元のページ
../index.html#26