カレッジマネジメント219号
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32リクルート カレッジマネジメント219 / Nov. - Dec. 2019この気づきが入学部を動かした。高校現場を見て回り、生徒一人ひとりに対する指導時間が十分ではない現状を知った。「だとすれば、私達の手で、高校生たちが自己分析をするためのセミナーをやってみようと。そうすれば、高校生達が書く自己申告書の質も高まるのではないかと考えました。高校の先生方から『そういうのがあるといいよね』という声を頂いていたということもあります」(高原部長)。一年後の2016年には高校生を対象とした「AO・推薦準備セミナー」を立ち上げた。コンセプトは「目的意識のある積極的な進学に向け、学修動機と学びへの期待感を高める/楽しく他者と関わりながら、自己理解を深め、自ら選択する」。セミナーの所要時間は1回90分。高校生にとってはやや長めのセミナーだが、個人ワークやペアワークで自己理解を促し、出願書類の材料探しや文章組み立てを学ぶ濃密な時間が体験できる場になっている。出願書類作成をゴールとする「AO・推薦準備セミナー」は、いわば高校生達のアウトプットを支援する事業に当たる。そして高原部長の説明によると、このアウトプット支援を始めたからこそ、インプット支援の必要性も見えてきた。「高校生が自分の経験をまとめる手助けをすれば、成長も促せるし、その延長上で入試の質も高まると思っていました。けれども蓋を開けてみると、少なくない高校生が『学校』と『部活動』と『家』の三角形の中だけで生活をしていて、意外と『挑戦』や『壁』といった言葉に見合う経験に出会えていないことが分かりました。インプットそのものを増やすプログラムも必要ではないかという話になりました」。そこで、「AO・推薦準備セミナー」を始めた翌年2017年には、インプットに関わる新たな支援「じぶん探求プログラム」を出発させた。参考にしたのは、1990年代から注目していた米国の非営利団体カレッジボードが提供するAP(アドバンスト・プレイスメント)プログラムだ。プロフェッショナルの話を聞く、現場に足を踏み入れる等々、高校生が実際に体験する機会を提供するため、大学が有するネットワークを駆使してプログラムを設計する。2017年度は最終的に7プログラムを提供、2018年度は17プログラムと数を伸ばし、2019年度には元認定NPO法人カタリバの今村亮氏を専属プログラムコーディネータに迎えた。そして「AO・推薦準備セミナー」と合わせて名称を「ディスカバ!」に変更し、活動のさらなる拡充を目指している。「インプット支援については、来年度には年間30プログラムを提供するぐらいには大きく成長させたいと考えています」と高原部長は強調する。2016年度2017年度2018年度2019年度2020年度2,054人参加者数参加者数2,572人184人285人(996人)364人*(1,002人)3,380人3,317人*2015年度高校へのヒアリングを実施し、半年以上の開発期間を経てAO・推薦準備セミナーを試験的に開催2017年夏に2プログラムから試験的に開催年度内で最終的に7プログラムを実施年間17プログラムを開催※合唱・吹奏楽などの取り組み含む(711人)AO・推薦準備セミナーと合わせ「ディスカバ!」のブランド名称へ専属のプログラムコーディネータを配置地方4都市でセミナー開催西日本の7高校で校内セミナー提供地方6都市でセミナー開催首都圏・西日本の高校で校内セミナー提供目標・上位プログラムの開発・校内セミナーも合わせた 年間5,000人Output支援Input支援目標・年間30プログラム実施・延べ参加者数1,000人*2019年8月末現在図表3 高校生支援を目的とした取り組みの展開インプット支援体制の整備へ

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