カレッジマネジメント219号
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39PRの機会として重要な意味を持つ。函館大学では、高校生が大学について理解を深める機会であるオープンキャンパスを、3年前から企画・運営の全てにおいて学生が担当して実施することに変更した。学長挨拶等を含めた企画・構成も、大学についての説明も、全て学生が行っている。学生が全体を企画することで、高校生がリラックスして話を聞ける雰囲気を作りながら、高校生に伝わることを重視した内容に変わってきたという(写真)。学生による大学の説明について、「よほど間違った情報でもなければ学生の話を訂正することはないけれど、学長の立場からすれば、『そこを強調するのか』と驚くことはある。例えば、“海外に行くのに、(大学の支援で)全然お金がかからずに行けた”ということを学生が紹介する。お金がかからないことをあまり前面に出されるのも困るなとは思うが、一方で、“頑張ればチャンスがつかめる”、“私は頑張った”ということを伝えたい、という思いも学生にはあるのだろう。学生は、何年か前にオープンキャンパスの参加者としてそこにいた、という高校生の視点に立って話している。多少正確ではないとしても、高校生に説明するのに、実際に教育を受けている学生の言葉が一番よく伝わるのだろう」と野又学長はその様子を話す。そして、「学生達は、オープンキャンパスに参加した人に、“参加してよかった”と感じてもらいたいと思って取り組んでいる。そのような学生が真剣に取り組める環境を作ってやりたい」とする。現在、オープンキャンパスには20名程度の学生がスタッフとして参加しており、その活動に対する単位付与や対価としてのお金の支払い等はない。学生の自主的な希望制のもとで、2年生が中心となって運営し、1年生は経験を積むこと、3年生はサポートをする、という役割分担のもとで、様々な学年の学生が関わっている。そして、学生主体のオープンキャンパスは、参加者の満足度が高く、入学者に占めるオープンキャンパス参加者の比率も高まっているという。学生が主体的に取り組むようになってから、その数字は良くなっており、オープンキャンパス参加者の7割が入学していて、その比率はこの1、2年で特に高まっているという(図表1)。このような学生が企画・運営する方式に変える前は、函館大学のオープンキャンパスも他の多くの大学で行われているそれと同じように、教職員が企画を立て、学生に手伝わせるというやり方だった。しかし、ある職員から「オープンキャンパスの企画を学生に任せたい」という提案があった。それは野又学長・理事長が新たに定めた人事評価制度の元で挙げられた職員からの提案であり、野又学長は「職員から、オープンキャンパスを学生に任せたい、という提案があったことリクルート カレッジマネジメント219 / Nov. - Dec. 2019図表1 オープンキャンパス参加者、志願者、入学者等の推移オープンキャンパスの様子。学生が高校生に大学の概要や授業の内容を説明する。0204060801001201401601802000102030405060708090H24H25H26H27H28H29H30(%)(人)66.710113410890609885707745102756280351171017689461551238810971186130107110851711291011047558.443.851.765.177.372.1OC参加者数計志願者数入学者数OC参加者数(受験適齢者)OC参加後の入学者数受験適齢者のOC歩留まり特集 進路の意思決定を科学する

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