カレッジマネジメント219号
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44リクルート カレッジマネジメント219 / Nov. - Dec. 2019社会で自立できるための実学を学ぶ本学の成り立ちは、創立者である諸澤みよが、今から110年前の1909年、茨城県水戸市に裁縫教授所を開設したのが前身です。みよは、女子教育である裁縫という技術で手に職を持つことだけでなく、女性が一人の人間として自立して生きるために必要な教養も身につけるべしと考える、その時代において進取の気性に富んだ方だったようです。みよが女性として自立した意識を持っていたことにはとても共感を覚え、私が本学初の女性学長として迎えられたのにも通ずるものを感じます。その後みよは、裁縫伝習所を母体に、女学校(のちの常磐大学高等学校)を作り、次いで短期大学を開設しました。常磐大学は、みよの没後の1983年に開学したものです。常磐大学は、「実学を重んじ真摯な態度を身につけた人間を育てる」という建学の精神に基づき、「自立・創造・真摯」という教育理念に沿って教育をすすめてきました。実学の解釈は様々ですが、私は、社会に直結する学問、つまり社会で直面する課題に解決策を示すことができる学問ととらえています。大学は社会に出るまでの助走期です。社会の変化が激しく、不確実性の高い今こそ、自らを助け、社会の成長に貢献できる教養と実践的な知識・技術を習得することだが大事だと考えています。時代の要請に応じる新学部本学の教育の特徴ですが、実学を重んじるということは、時代の要請に応じる教育を提供するということでもあります。そこで、2017年、2018年と相次ぎ、新学部を設置しました。開学時に人間科学部の1学部でスタートしてから、1996年に国際学部、2000年にコミュニティ振興学部を設置しましたが、2017年に国際学部とコミュニティ振興学部を発展的に改組し、総合政策学部を設置しました。総合政策学部では、周辺の地方自治体や地元企業から協力を得て、地方行政の現状、地域金融、地方創生と観光ビジネス等、地元に根差した実践的な学びを展とみた・けいこ氏1958年生まれ東京女子大学文理学部社会学科卒業、米国Georgetown University大学院人口学修士課程修了、米国Fordham University大学院社会学博士課程修了。1988年、ニューヨークの国連経済社会分析局入局。バンコクの国連アジア太平洋地域経済社会委員会勤務を経て、2009年よりニューヨークの国連経済社会局統計部次長。在職中、タイ国マヒドン大学人口社会研究所客員研究員、ボスニア・ヘルツェゴビナ国およびミャンマー国国勢調査の国際諮問委員会委員を兼任。現在も、国連国際人口移動統計専門家グループのメンバーを務める。2019年4月より現職。実学をベースに、グローバルな視野を持つ自立した地域人材を育成常磐大学・常磐短期大学 学長富田 敬子
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