カレッジマネジメント219号
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安定した。また文科省の防災機能等強化緊急特別推進事業の補助金を受けるための申請も最後の年となる2017年、その好機を逃さず建設を決めた」。スピーディな決断であるがゆえに、建築物自体の構想はゼロからのスタートである。そこで、既知の他大学の特任教授に相談したところ、紹介されたのがこの新校舎の建築設計を手掛けた建築家・小堀哲夫氏であった。「その先生から『とにかく1日も早く(小堀氏に)会った方が良い』と言われ、すぐ東京の事務所におうかがいした。すると、模型を提示され、『梅光学院大学の新校舎です』と。すでに様々な情報を調べ、それをもとに準備されていた。『建物が学び方を変え、人を成長させる』という考え方や『学生の居場所を作る』『人と人との多様な交流の実現』という建物のコンセプトもプレゼンされ、ぜひこの人に依頼したいと気持ちを強くした」(樋口氏)。結果として小堀氏は新校舎のコンペティションに参加し、学内の選考委員会で満場一致で小堀氏への依頼が決定した。3階建ての校舎には「人と人とのコミュニケーションが生まれる」仕掛けがあらゆる場所に具現化されている。各フロアの導線はジグザグに設計されており、人が歩く距離が長くなり、接点が梅光学院大学は、文学部人文学科と子ども学部子ども未来学科から成る山口県下関市にある大学である。日本で6番目に創設されたミッションスクールを淵源とし、1967年に女子大学として開学、2001年に男女共学となった。そして、大学開学50年の記念事業の一環として建設されたのが「The Learning Station CROSSLIGHT」である。学院長・学長である樋口紀子氏は建設の経緯について振り返る。「かつては学生募集が振るわず苦しい経営状況が続いており、新校舎建設は叶わぬ夢であった。2012年の学長就任の翌年から志願者数が好調に転じ、財政的にも60リクルート カレッジマネジメント219 / Nov. - Dec. 20191階はフリーアドレスのスペース。そのほぼ中央にインフォメーションを設け、教員・職員・学生が共に受付を担当。担当した学生には独自のワークスタディ制度で海外留学資金を奨学金として提供している。教員一人ひとりの個性が現れる本棚。トラットリアは土曜や夜遅い時間も開いている。ワインなどのアルコールも提供。地域の方にも開放されている。教員の個人研究室はなく、職員とともにスペースを活用する。教職員へのアンケートでは相互の交流が生まれるようになったという回答があったという。
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