カレッジマネジメント219号
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6リクルート カレッジマネジメント219 / Nov. - Dec. 2019高校生は進路選択において「いつ」「どのような行動」をとっているのだろうか。大学と専門学校進学者の各プロセス行動時期を経年で見てみた(図表1)。単年だとあまり変化を感じないかもしれないが、全体的に行動が早期化していることがよく分かる。まず大学進学者は、「どんな学校があるかを調べ始めた時期」「興味を持った学校の資料請求をした時期」「第一志望の学校に関心を持った時期」「第一志望の学校に資料請求をした時期」において高校1年時を挙げる割合が増加している。「どんな学校があるかを調べ始めた時期」は2013年:30%→2016年:33%→2019年:37%で高校1年時の割合が最も高くなった。高校入学間もなくから、動き出しているようだ。高校2年時の割合が増えているのは「初めて大学を見に行った時期」(2013年:34%→2016年:32%→2019年:35%)で、2019年データでは高校3年時の21%より高校2年の割合が14ポイントも高い。「第一志望の学校を受験校に決めた時期」は経年で見ても各学年スコアは大きく変わらず、高校3年時が65%で最も高い。次に、専門学校進学者については、「どんな学校があるかを調べ始めた時期」「初めて専門学校を見に行った時期」「第一志望の学校に関心を持った時期」において、高校1年時、高校2年時の割合が増えており早期化している。「初めて専門学校を見に行った時期」は高校2年時の割合は増加しているが、高校3年時での参加も37%おり、大学進学者の21%より高い。オープンキャンパスへの参加が受験直前になっている専門学校進学者が大学進学者と比べると多い。受験校を決める時期は変わらず高校3年時の夏以降だが、その手前の検討行動プロセスが年々早まっているということが分かる。つまり、高校生に対し早期化を前提としたコミュニケーションが必要になる。次ページではそれぞれのプロセスに影響するメディアについて述べたい。Chapter1高校生の進路選択行動を俯瞰する進路選択行動プロセス全体像志望校を決定するまでの進路選択行動は年々早まっているどんな学校があるかを調べ始めた時期興味を持った学校の資料請求をした時期初めて大学・短大・専門学校を見に行った時期第一志望の学校に関心を持った時期第一志望の学校に資料請求をした時期第一志望の学校を受験校に決めた時期2013年2016年2019年2016年2019年2016年2019年2013年2016年2019年2013年2016年2019年2013年2016年2019年高校1年生大学進学者専門学校進学者高校2年生高校3年生高校1年生高校2年生高校3年生調査数 2019年 n=2071、2016年 n=3051、2013年 n=32562019年 n=337、2016年 n=590、2013年 n=731(%)36.633.521.429.438.324.625.827.834.130.737.636.537.843.238.643.140.141.565.066.470.034.639.337.438.535.835.332.732.833.831.532.032.919.620.319.428.524.219.621.918.523.721.416.616.015.814.514.45.06.15.222.524.334.337.640.321.123.929.033.341.740.848.164.964.865.936.138.331.631.133.035.332.134.226.328.327.026.416.018.919.132.729.923.121.318.133.834.227.826.318.916.814.18.38.48.4調査年進学センサス2019 分析リポート【図表1】進路選択行動プロセスの経年比較(各ステージ単一回答)全体的に進路選択行動は早期化傾向

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