カレッジマネジメント219号
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8リクルート カレッジマネジメント219 / Nov. - Dec. 2019AO・推薦入試層のほうが、先生の影響が強い傾向がある。また、女子はメディア利用率が高く、特に「オープンキャンパス」「学校案内・パンフレット」の影響が大きい。一方男子は、「友人・先輩」「塾・予備校」等、周囲の人からのアドバイスを聞く傾向がある。大学進学者にとって先生のアドバイスはよりどころである。しかしながら、先生から十分なアドバイスが受けられなかったという声も散見される(右ページフリーコメント)。一方、進路指導担当の先生からは「大学の分厚い書類を読み込む時間がない。学校の特色と入試について簡潔にまとまったものを作成してほしい」という悲鳴も上がっている。教育改革まっただなかにあって、混乱する高校生と高校教員に向け“分かりやすい”“特色が明確化された”情報提供が大学の責務だろう。●専門学校進学者の進路選択行動図表3は専門学校進学者が「最終的な入学校を決めた時期」を累計したグラフである(吹き出しの定義は図表2に同じ)。専門学校進学者が大きく動き出すのは、大学と同じく高校2年の夏で、学びたい分野の決定、興味校への資料請求、初めての学校見学が半数を超え、その後高校2年の秋にかけて「最終的な入学校に関心を持つ」が半数を超えてくる。高校3年生となり、オープンキャンパス参加を経て、高校3年の夏に「入学校決定」が半数を超えるのは、大学進学者の「第一志望校の受験校決定」と同じ流れである。しかし、数値を見てみると、高校3年夏時点での専門学校進学者の「入学校決定」53%に対して、同時期大学進学者の「第一志望校の受験校決定」は71%で、“入学したい学校を決定している”割合は専門学校進学者のほうが低い。専門学校では早期アプローチを強化しているが、フリーコメントにもあるように、分野によっては秋以降も大学進学と校種選択に悩んでいる高校生がいることが分かった。影響メディアに関しては、分野決定と入学校の学校研究時は「進学情報誌」を利用し、オープンキャンパスに行って入学校決定という流れが一般的なようだ。大学と違い、学びたい分野や資格・就職を重視しており、偏差値のような共通した選択軸がないため実際にオープンキャンパスに参加して、キャンパスの雰囲気、施設設備、先生・在校生の話を聞いて決定していくのが特徴と言えそうだ。専門学校においては、高い評価につながるオープンキャンパスの内容の検討とオープンキャンパスでの高い評価の獲得がカギとなる。(%)050100050100最終的な入学校のオープンキャンパスに初めて参加した時期最終的な入学校を決めた時期最終的に入学した学校に関心を持った時期初めて大学・短大・専門学校を見に行った時期興味を持った学校の資料請求をした時期学んでみたい分野を決めた時期学びたい分野決定①家族からのアドバイス②進学情報誌③オープンキャンパス初めて学校を見に行った①オープンキャンパス②進学情報誌③先生のアドバイス興味校への資料請求①進学情報誌②先生のアドバイス②学校案内・パンフレット最終的な入学校に関心を持つ①進学情報誌②オープンキャンパス②家族のアドバイス最終的な入学校のOC参加①オープンキャンパス②学校案内・パンフレット②進学情報誌最終的な入学校を決める①オープンキャンパス②家族のアドバイス③先生のアドバイス調査数高校入学以前高校1年高校2年4月~9月高校2年10月~3月高校3年4月~5月高校3年6月~7月高校3年8月~9月高校3年10月~11月高校3年12月~1月高校3年2月~最終的な入学校を決めた時期3370.92.76.614.023.535.152.966.573.988.1【図表3】最終的な入学校を決めるまでの、進路選択行動プロセスと影響メディア(専門学校進学者全体/累計)高校2年の春からオープンキャンパス・進学情報誌で検討開始し、オープンキャンパスに行って入学校決定。オープンキャンパス評価がカギを握る
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