カレッジマネジメント220号
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11リクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 202043.5%は現状維持計画、26.1%は増加計画、8.7%は減少計画を立てており、多くは、現在の定員を確実に確保するために、どのような中期計画が必要かという観点で策定されていることが分かる。将来の学生数に限らず、様々な数値目標を全学で設定する傾向も近年ますます強まっている。全学での数値目標の設定状況について、図10に示したが、特に設定していないのは31.8%に過ぎず、7割弱の大学で何らかの数値目標が設定されている。ある程度設定(30%未満)が全体の40%、多くの数値目標を設定(30~の状況の把握が難しく、数値目標が多く使われているのだと思われる。定員充足状況との関係を見れば、未充足の大学のほうが数値目標を設定している(未充足校の設定率72.5%、充足校の設定率66.7%)。どの程度の数値目標を設定しているのかと言えば、「ある程度(30%未満)」がいずれの場合も最も多くなっている。これまでの中期計画の策定回数との関係を見れば、3回目以降の場合に、より多くの数値目標を設定する傾向が見られる。「ほぼ全て設定」は今回初めてでは6.3%に過ぎないが、3回目以降では14.8%へと増加している。70%程度)が17.6%、ほぼ全て設定(70%以上)が10.6%となっている。こうした設定状況の違いは何によって影響を受けているのか、大学の規模、定員の充足状況、これまで策定した中期計画の数との関係を見たところ、明確な関係が確認できた(表5)。規模との関係でいえば、大規模校ほど、数値目標を多く設定する傾向が見られる。数値目標を設定していないのは小規模校で36.1%だが、大規模校では20%であるし、「ほぼ全て設定」も小規模校では5.8%に過ぎないが、大規模校では25%である。規模が大きいほど、それぞれの活動全学での数値目標の設定状況合計特に設定してないある程度設定(~30%未満)多く設定(30~70%未満)ほぼすべて設定(70%以上)規模類型 **~2999人36.1%43.2%14.8%5.8%100.0%3000~9999人24.0%34.7%24.0%17.3%100.0%10000人以上20.0%35.0%20.0%25.0%100.0%定員の充足状況 **未充足(95%未満)27.5%52.7%15.4%4.4%100.0%充足(95%以上)33.3%32.7%19.5%14.5%100.0%これまでの策定回数 *今回が初めて36.3%40.0%17.5%6.3%100.0%二回目36.6%41.5%11.0%11.0%100.0%三回目以降19.3%40.9%25.0%14.8%100.0%(注)**1%水準で有意、*5%水準で有意。大規模校及び策定回数が多い大学ほど数値目標を設定表5 数値目標の設定状況とその他の変数の関係7割弱の大学で何らかの数値目標を設定図10 数値目標の設定状況(N=255)ほぼすべて設定(70%以上)多く設定(30~70%)ある程度設定(~30%)特に設定してない31.8%40.0%17.6%10.6%設定している68.2%数値目標設定の最大の理由は「進捗管理がしやすい」図11 数値目標に関して0102030405060708090100(%)数値目標の作成運用の負担が大きい数値目標の達成に対する部署の責任が明確になる数値目標があることで計画が浸透しやすい数値目標があることで進捗管理がしやすいあまりあてはまらないややあてはまるとてもあてはまる52.9%45.0%38.1%18.0%57.1%24.9%50.3%11.6%43.9%11.1%42.3%4.8%特集 中期計画で実現する大学の未来
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