カレッジマネジメント220号
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12リクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 2020数値目標を多く設定する大学ほど、数値目標により「進捗管理しやすく、計画が浸透、責任が明確に」数値目標を設定する理由や効果に関しては、図11に示した。「とてもあてはまる」という回答が最も多かったのは、「数値目標があることで進捗管理がしやすい」(52.9%)、次いで「計画が浸透しやすい」(45.0%)、「数値目標の達成に対する部署の責任が明確になる」(38.1%)となっていた。どの程度の数値目標を掲げているかによって、こうした項目への回答は異なると考え、その関係性を見たところ、「数値目標の作成運用の負担が大きい」以外は、設定率によって回答傾向が異なっていた(表6)。より多くの数値目標を設定している大学ほど、数値目標を掲げることで進捗管理がしやすい、計画が浸透する、責任が明確になると考えている。また、図11の項目と、大学の規模、定員充足状況、これまでの中期計画の策定回数との関係を見たところ、表7に示したとおり、数値目標と進捗管理のしやすさのみ、その関係が確認された。進捗管理がしやすいかについて、「とてもあてはまる」が大規模校では89.5%、小規模校では41.5%となっており、数値目標があることによる進捗管理のしやすさは、規模が大きいほど感じているが、定員充足状況との関係で見れば、「とてもあてはまる」が充足校では61.3%、未充足校では38.2%となっており、未充足校では数値目標があることによる進捗管理のしやすさという効果をあまり感じていない傾向がある。数値目標があることで計画が浸透しやすい **数値目標があることで進捗管理がしやすい ***数値目標の達成に対する部署の責任が明確になる **あまりあてはまらないややあてはまるとてもあてはまるあまりあてはまらないややあてはまるとてもあてはまるあまりあてはまらないややあてはまるとてもあてはまる数値目標の設定状況特に設定していない28.6%71.4%42.9%57.1%42.9%57.1%ある程度設定(~30%)10.8%49.0%40.2%4.9%51.0%44.1%11.8%56.9%31.4%多く設定(30~70%)11.1%40.0%48.9%37.8%62.2%8.9%42.2%48.9%ほぼすべて設定(70%以上)3.7%22.2%74.1%14.8%85.2%3.7%37.0%59.3%(注)*** 0.1%水準で有意、** 1%水準で有意。より多くの数値目標を設定している大学ほど各項目で「とてもあてはまる」が高い表6 数値目標の設定率と数値目標設定の理由教育学生募集財務地域連携運営体制研究施設設備組織人事国際化かなり重視87.1%80.4%58.8%57.3%43.9%42.7%39.6%39.236.9%ある程度重視12.9%16.9%30.6%37.3%48.6%47.5%48.6%52.944.7%あまり重視せず1.6%2.4%3.5%3.1%7.1%7.1%3.914.1%計画に入っていない1.2%8.2%2.0%4.3%2.7%4.7%3.94.3%(注)中期計画を策定している大学のうち、この設問に一問以上、回答した255校が対象。「教育」「学生募集」以外は大学により異なる表8 中期計画で重視している項目数値目標があることで進捗管理がしやすい合計あまりあてはまらないややあてはまるとてもあてはまる規模類型***~2999人7.5%50.9%41.5%100.0%3000~9999人1.6%37.1%61.3%100.0%10000人以上10.5%89.5%100.0%定員の充足状況**未充足(95%未満)4.4%57.4%38.2%100.0%充足(95%以上)5.0%33.6%61.3%100.0%(注)*** 0.1%水準で有意、** 1%水準で有意。定員未充足校では「進捗管理のしやすさ」という効果をあまり感じていない表7 数値目標があることで進捗管理がしやすいと規模、充足状況の関係

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