カレッジマネジメント220号
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16リクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 2020評価を尋ねた。前期の計画目標が十分に達成できたか、については、「ある程度そう思う」が72.8%、次いで「あまりそう思わない」17.2%、「とてもそう思う」8.3%であった(図18)。前期の計画実施が経営改善につながったかについても同様の傾向であり、「ある程度そう思う」が64.5%、「あまりそう思わない」19.5%、「とてもそう思う」13.6%であった(図19)。一定の効果は感じているものの、十分な効果までを感じている大学は少ないといえるだろう。では、前期の中期計画を具体的にどのように評価しているのか(図20)。全体としては「ある程度適切だった」という回答が多いが、ここでは、「適切でなかった」という回答が多い順に並べ、結果を見ていく。課題感を比較的感じている項目は「計画に記載した数値目標数」「計画の見直しの頻度」「計画の進捗確認の頻度」「計画にかかる予算額」等の項目になっている。これまで作成した中期計画の回数との関係を見たところ、2回目と3回目以降で違いが見られたのは、数値目標数と予算額であり、最初に作成したときに適切でなかったが、経験を重ねるにつれて、適切に設定できるようになったと回答している(表9)。なお、図18、19で見た前期の中期計画に関する評価と、図20の前期の中期計画の評価は密接に関連していたが、前期の中期計画の評価が高ければ、図20の項目はとても適切と考える等、当然の結果であるため、特に結果は示していない。38.0%の大学で数値目標数を「前回より増やした」前回から今回の計画でどのような点を変更したのかを尋ねたのが図21である。計画の設定期間、計画の見直しの頻度等は変えていない大学がほとんどである。変更を加えた場合は、増やした・高めた・伸ばした場合がほとんどであった。事前の予想では、計画に含まれる施策内容を絞り、総花的な計画から焦点を絞った計画に変更した大学も一定数あるのではないかと考えていたが、むしろ施策内容を増やした大学が44.6%と多く、減らしたのは13.1%のみであった。数値目標数についても、目標数が多すぎるために、誰も全体像を把握しきれていない大学が存在しているように見受けられるため、キーとなる数値目標に限定し数値目標を減らす選択する大前期:計画に記載した数値目標数 *前期:計画にかかる予算額 +適切でなかったある程度適切とても適切適切でなかったある程度適切とても適切2回目29.1%59.5%11.4%23.8%67.5%8.8%3回目以降11.8%75.3%12.9%11.6%72.1%16.3%(注)* 5%水準で有意、+ 10%水準で有意数値目標数と予算額の計画は、策定回数が多い大学のほうが「適切」と回答表9 これまで作成した中期計画の回数との関係全体的には適切と回答。最も課題感を感じているのは「計画に記載した数値目標数」図20 前期の計画の評価(N=168)0102030405060708090100(%)適切でなかったある程度適切とても適切計画に記載した数値目標数計画にかかる予算額計画の見直しの頻度計画の達成目標の水準計画の進捗確認の頻度計画に含まれる施策内容計画策定時の情報分析計画の設定期間計画策定時のトップの関与39.630.426.023.122.517.914.212.712.267.720.169.917.566.319.573.88.359.218.371.65.365.18.963.16.552.77.7
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