カレッジマネジメント220号
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21リクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 2020そもそも大学の中期的な目標や計画を説明してもいない。その結果として、当然だが、ほとんど浸透していないことがほぼ当然視されている。大学のウェブサイトに中期計画について全く書いていない大学が、全体の41.8%にも及ぶ(図25)。中期計画の達成状況も含めて、定期的に公開している大学は11.8%に過ぎない。大学に対してさらなる情報公開を求める声は大きくなっており、社会説明をどのように果たすか、という観点からも中期計画をさらに活用できる可能性は大きいのではないだろうか。いう姿勢の問題もあるかもしれないし、学外者に分かりやすく、大学の現状や目指すべき姿、それに向かう途上の姿を説明しようとするためには、ポイントが明確化になる等のメリットがあり、それは学内の教職員の理解促進にも効果的なことなのかもしれない。中期計画のウェブサイトでの公開状況については、教職員への中期計画の共有・浸透度と明確な関係が見られなかったのだが、それにも拘わらず、中期計画の効果とはいくつか関係が確認できた(図27)。ウェブサイトで中期計画を熱心に公表している大学ほど、「経営と現場の意見交換が進んだ」「競争的補助金は計画推進を後押ししている」「重要な課題を重点的に推進できるようになった」という関係が見られた。計画に自信があるから公表できるという面もあるが、社会説明のための中期計画という観点は、効果的に中期計画を進めるうえでも意義があり、今後、このような考え方がさらに現場に浸透していくことが望ましいと考えられる。また、社会に対して中期計画を公表・説明していくことは、これまで見てきた成果の上がる中期計画、という観点からも大きな可能性を持つ。例えば、社会一般に中期計画を公表・説明しているほど、教職員への浸透度も高くなっている(図26)。教職員への中期計画の浸透がもたらす大きな効果は既に述べた通りであるが、そうした間接的な影響があるからか、社会一般への公表・説明の度合いと中期計画の効果にも大きな関係性が確認された。学生・保護者や社会一般にも説明する大学なので、教職員にはもっと熱心に説明していると社会一般に中期計画を公表・説明しているほど、教職員への浸透度も高い図26 中期計画が教職員に「十分に浸透」の割合ウェブサイトで中期計画を熱心に公表している大学ほど、効果が高い傾向図27ウェブサイトでの公開レベル別に見た中期計画の効果:「とてもあてはまる」の割合公開していない大学が4割強図25 ウェブサイトでの公開公開していない計画全体・概要の公開達成状況も含めて定期的に公開11.8%46.4%41.8%(%)020406080100公表していないあまり説明していないある程度説明している十分に説明している社会一般への中期計画を公表・説明の状況82.447.021.822.7(%)01020304050重要課題を重点的に推進できるように競争的補助金は計画推進を後押し経営と現場の意見交換が進んだ公開していない計画全体・概要の公開達成状況も含めて定期的に公開35.735.744.444.524.020.010.424.510.4特集 中期計画で実現する大学の未来
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