カレッジマネジメント220号
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24リクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 2020テーマを分担して検討を行い、2週間に1度、多い時には週に1度の会議を行うとともに、合宿形式での集中的な検討会や丸一日かけた会議等も行い、精力的な検討の結果、原案がまとめられた。タスクフォースのメンバーの中には、最初は、なぜ自分が選ばれたのかと感じていた人や仕事が増えるからできるだけ関わりたくないという人もあったとのことであるが、議論を進めるなかで、大学のことを自分ごとと考えるように変わっていったという。そして、タスクフォースでの検討がある程度具体的にまとまるなかで、2019年2月に全学の教職員向けのワークショップが行われた(図3左)。計画案のなかの7つのテーマをあげて、テーマごとにテーブルを作り、タスクフォースのメンバーがそれぞれファシリテーターを担当し、一つのテーブルに15〜20人くらいの教職員が参加して、KJ法を用いて意見を出し合った。この形式の意見交換を30分ごとに3回繰り返すラウンドテーブルとすることで、参加した教職員が複数のテーマの意見交換に参加できるようにした。このようなワークショップを、教職員は誰もが参加できるものとして、2つのキャンパスでそれぞれ行ったところ、180人程度の教職員の参加があったという。入澤学長はこのワークショップに2回とも参加したうえで、「教職員ワークショップを開催する前は、大学執行部が行う形式的なものではないかと疑心暗鬼になる教職員もいた。しかし、ワークショップを通じて、タスクフォースのメンバーが真摯に教職員の声を傾聴し対話したことで、多くの人からワークショップがあって良かったという声を聞いている。今後も対話のある大学として、定期的にやっていきたいと思っている」と話す。そして、教職員のワークショップでは様々な意見が交わされ、研究時間の確保や環境改善等、そこから長期計画の検討に反映されたこともあるとのことである。これらの意見を集約してタスクフォースが原案をまとめ、それが委員会で議論され、学長に答申されたのである。そして、2019年6月に執行部としての案がまとまったあと、2019年7月に学生の声を聴くための学生対象のワークショップが行われた(図3右)。学生には、10年後、20年後の大学のあり方を尋ねるのではなく、日頃感じている事柄を聞くことを目的に、①4年間で解決してほしい問題、②こういう大学であってほしいという長期的なアイデア、の2つのテーマを設定した。教職員のワークショップと同様に、グループに分かれてKJ法で意見を出し合うかたちで進め、学生からの要望を集約してリストアップしていった。200人くらいの学生が参加し、瀬田キャンパスの交通アクセスのあり方等、具体的な課題が指摘されたという。これらの学生からの指摘は、4年間の具体的な実施計画であるアクションプランに改善方策として反映させていくことになっている。このように基本構想400を教職員や学生の参加のもとで具体化していくだけでなく、その策定に当たっては、建学の理念である浄土真宗の精神をどのように表現するか、建学の精神の具現化も大きな課題であった。建学の精神を学生に理解してもらうために、その内容を具体化し、龍谷大学ならではの建学の精神を学ぶことは大切である。そのために、浄土真宗の精神を現代的に読み替えて、大学のあり方や教育のなかに図2 基本構想400の検討体制龍谷大学における将来構想の検討にかかる全学体制図事務局:学長室(企画推進)/協力部局:IR室第5次長期計画の運営体制基本構想400の検討体制全学企画推進会議連携・協力中期計画推進委員会外部アドバイザリーボード外部コンサルタント各学部等各事務部局理事会(大学)評議会学長部局長会5長推進会議(担当理事等)(アドバイス/外部評価)(編成予定)(編成支援/ 調査支援)(担当理事等)(発展的に移行)大学執行部(理事)の立場から関与する大学将来構想委員会将来構想タスクフォース教職員・学生の声を聴く、全学ワークショップを実施建学の精神に向き合う機会に
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