カレッジマネジメント220号
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40リクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 2020学力の3要素評価で最も現場が頭を悩ませているのが、主体性等評価であろう。現状、①主体性を発揮させるアクティビティ型試験でルーブリック評価する、②面接での書類参考として(主体性等について明記された)調査書等の書類を扱う、③出願要件として過去に主体性を発揮した経験を記載させる、の3つのいずれかで主体性を扱う大学が多い。特に、一般選抜の延べ志願者数が多い大学においては物理的な負荷を理由に③を選択する大学が多く、「ウェブ出願時の画面で主体的な経験を入力させ、入試による評価は行わず、入学後の学生データとして扱う」とする方式が主流になりつつある。一方で、試験として主体性等評価を行う大学も、今までAO・推薦入試を中心に実施してきた「面接」が主流だ。文書自体を点数化するのではなく、面接において記載内容の裏打ちを行う前提で、面接の評価に含めるところが大半である。そんななか、評価対象を絞ることで主体性等評価を実施するという大学もある。次コラムではそうした事例を紹介した。もう1つ論点となっているのは、ポートフォリオの扱いである。ポートフォリオとはそもそも、書類入れやファイル、及びそこに入った書類を指す言葉だが、教育においては、学習過程で残したレポートや活動の様子の写真等をファイルに入れて保存する評価方法を指す。結果だけでなくどう考えたのか、どう行動したのかというプロセスや個人の成長にフォーカスし、「学びの履歴」等とも呼ばれる。生徒の自己省察に基づく自己記録であり、教師がそれに基づいて生徒と対話し次のチャレンジを促す等、指導に用いるものである。2016年12月21日の中教審答申には「一人一人の学びの多様性に応じて、学習の過程における形成的な今回のリサーチで感じられたのは、「公表項目や書式が揃っていないことの弊害」が想像以上に大きいことだ。A大学では項目にあった「主体性等評価」がB大学の公表項目にはなく、A大学では「外部試験を利用する」とあっさり一文で済まされている英語4技能の扱いが、B大学では学科単位で細かく記載されているといった具合で、公表項目も程度もバラバラである。共通テストを全面的に使う大学もあれば、学部によっては使うという大学も、全く使わないという大学もある。大学側からすれば検討した項目のみの公表となるのは当然とも言えるが、受験生からすると、どの大学がどういう方針かは、これまで以上にきちんと1校1校調べ、読み解かなければならない。しかも、大学HPのどこにその情報が掲載されているのかも大学によって全くバラバラである。このリサーチ自体が何かのテストであるかのようだ。高校側から見た時の分かりにくさ、進路指導の負荷の増大を思わずにはいられなかった。高校側から見て分かりやすく情報整理・公開している事例として、千葉商科大学を紹介した。是非参考にしていただきたい。図表6 方針公表から見る主要論点主な論点詳細①主体性等評価試験で評価する (試験評価の場合)どういう評価方法を課すか出願要件とする (出願要件の場合)何を以て要件を証明するか調査書や書類の扱い特に一般選抜における評価の難易度が高い 評価の仕方、加点方法②英語4技能独自試験で評価するか英語外部資格検定試験を活用して評価するか (外部試験の場合)出願資格とするか否か (外部試験の場合)独自試験に加点するか否か (外部試験の場合)みなし得点として扱うか否か出願水準→A2が最多加点水準みなし得点水準③大学入学共通テスト要否 (利用の場合)記述式の扱い (利用の場合)英語外部資格検定試験の扱いセンター試験同等であれば利用とする大学が多い要否/国語の段階別評価の換算の仕方②と同様の論点※編集部作成Chapter3一般選抜における主体性等評価の実態主体性を評価するか経験値として問うかで判断が大きく分かれるeポートフォリオの活用は当面見送る大学が大半大半の大学に欠けているのは「受験生に分かりやすい情報提供」という視点

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