カレッジマネジメント220号
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43リクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 2020入学者選抜改革の今評価したい項目が評価できているか選抜プロセスを随時チューニングする事例 ④鎌倉女子大学鎌倉女子大学(以下、鎌倉女子)は2016年に「AO入試(高大接続重視型)」、2018年に短大部で「保育者適性型特別選抜入試」を導入した。前者は大学教育への適合を、後者は保育士養成という短大教育への適合を図る目的で導入されたものだ。評価手法と比重を公表する数少ない例として、小誌でも度々取り上げている(図表10に概要)。現在の進捗について、入試・広報センター長の河村和宏氏に伺った。「まず大学は、『集団討論』の整備が継続的に議論されています。本学が重視したい『自ら行動し自分の意見を話せるか』を抽出できるかが論点。2016年はテーマもグループも学科別でしたが、2017年からは全学統一で『建学の精神』にちなんだテーマとし、異学科混合グループに変更しました。しかし、もっと適した方法があるかもしれない。日々模索中です」。そこが議論の的となるのはそこが最重要だからである。鎌倉女子は大学も短大部も家政・児童・教育領域の人材を育成する。実学に通じ多くの資格・免許に関わるため、教育上キーとなるのは「実習」「インターンシップ」といった学外での経験だ。「未知の場で知らない人と組んでパフォーマンスを出す必要がある場で協働できないというのは、実学人材としては致命的です。そうした適性を見ることは、実学教育を掲げる以上必然」と河村氏は断ずる。「本学が考える主体性が現状最も測れるのは『集団討論』です。主体性を見るのは、選抜というより、大学教育への第一歩とも言える。そうした方式を磨き込み、全体整備に使っていきたい」。今後は指定校推薦の個別面接を集団討論に変更する計画もあるという。保育者適性型は導入初年度1.2倍ほどの倍率をつけ、優れた適性がある人材を選抜できた。この方式では入学希望理由書(A4書式2枚:職業志望理由、理想の保育者像、自己PRを交えた入学希望理由)の記入が必須なので、目指す職業に対する自己分析を経た学生が受験してくる。そこがハードルとなって安易な受験が減り、コアな志願者が増えているという。「入学希望理由書に書かれた内容について面接で裏打ちしていくので、そこに嘘があったり曖昧だったりするとまず受からない」そうだ。こうした状況を聞くにつけ、入学者選抜改革の目的に照らして評価手法は常にチューニングする必要があるのだと感じる。一方で、入学後教育への適合具合の成果検証は、「何を以て成果とするかも含めて、まだ議論中」だという。図表10 鎌倉女子大学 AO入試(高大接続重視型)と短大部保育者適性型特別選抜入試 概要■AO入試(高大接続重視型)評価配点評価する学力の3要素(教育適性)選抜プロセス調査書10知識・技能プレゼンテーション25APの適合性思考力判断力表現力(情報機器運用能力含む)面接25APの適合性思考力判断力表現力集団討論25主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度判断力小論文15知識・技能思考力表現力■保育者適性型特別選抜入試項目評価配点評価する職業適性出願条件幼稚園教諭や保育士として就労を希望─目的意識授業出席状況が良好/明るく前向きに活動した実績─生活者としての規律性・主体性保健体育・芸術の評定平均3.2以上─保育における基礎教科の評価出願書類入学希望理由書─思考力・判断力・表現力/文章力選抜プロセス調査書20基礎学力、活動履歴小論文30思考力・判断力・表現力/文章力面接50コミュニケーション力※いずれも選抜プロセスはそれぞれS・A・B・C・Dの5段階評価※大学資料から編集部作成(点)(%)

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