カレッジマネジメント220号
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46一般財団法人大学教育質保証・評価センターは、一般社団法人公立大学協会によって2019年4月に設立されました。そして8月21日に、文部科学大臣から国公私立大学(短期大学を除く)を対象とする認証評価機関として認証され、2020年度から認証評価事業を開始します。2004年度に施行された認証評価制度の趣旨に則り、大学の教育研究等の質を広く社会に対し保証し、同時に大学の質向上を促し、その特色の進展を図っていくことを目的として評価を実施します。制度が既に第3巡目に入ったこの時点で、新たな認証評価機関を設立した背景と評価実施の方向性について、限られた紙面ではありますがお伝えしたいと思います。最初に述べた通り、この評価機関は公立大学協会の手により設立されました。公立大学協会は、認証評価制度がその第1巡目を終えた概ね2010年度から、会員校における認証評価の受審経験を踏まえ、公立大学の評価受審の在り方の検討を開始しました。これには大きく2つの理由があります。1つは、公立大学の特に管理・運営面についての特殊性が各評価機関から理解されにくいという会員校の実感が強かったことです。大学の活動自体は国公私立大学で本質的に異なることはありません。しかしながら、その改革を実現する手順については、設置主体によりそれぞれ特色があります。公立大学では、設置者である地方自治体の様々な関係者の理解と支持を得ながら改革を進めていく必要があります。自治体特有の強い法令順守の精神に守られながら、一方でその縛りの中で改革を進めていくことへの理解において、すれ違いが散見されたと言えます。もう1つは、国のいわゆる事業仕分けにおいて、当時の大学評価・学位授与機構の認証評価事業が検討対象として取り上げられたことです。実際に同機構は、短期大学の認証評価事業を、2011年度をもって廃止してしまいました。民間団体が現に実施している事業を、独立行政法人が実施することは、制度の理念上整合的ではないことが理由ですが、このことにより、同機構が認証評価事業から撤退した際の対応を考える必要に迫られました。こうした2つの理由により、公立大学協会は2012年度から、公立大学の評価に関する本格的な研究活動を開始しました。協会内組織として「公立大学政策・評価研究センター」を設立し、試行評価としての「大学評価ワークショップ」を実施するとともに、「公立大学の設置自治体政策」※1 「公立大学法人評価」※2 について、文部科学省の委託調査を受託し調査研究を実施する等の取り組みを行ってきました。これらの経験を踏まえて、2016年度から、新たな認証評価機関の設立を目指して大学評価基準等の検討に着手し、2018年3月、文部科学大臣に対し認証評価機関の認証申請を行いました。その後、センターの組織は公立大学協会から独立し、「一般財団法人大学教育質保証・評価センター」となり、専門のリクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 2020寄稿設立の目的・背景評価センターの理念大学教育質保証・評価センター設立の背景と今後の展望奥野武俊 一般財団法人大学教育質保証・評価センター 代表理事
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