カレッジマネジメント220号
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47審査委員会の1 年5カ月に及ぶ審査を経て、2019年8月、認証評価機関としての認証を得ることができました。本センターの行う評価の理念は、「実施大綱」の冒頭に以下のように示しています。さらに、本センターの理念の展開について図1に示します。振り返れば、認証評価制度の在り方を審議した、中央教育審議会の答申は、「様々な第三者評価機関がそれぞれの特質を生かして評価を実施することにより、大学がその活動に応じて多元的に評価を受けられるようにすることが重要」であると述べています。こうした制度導入時の理念と、この15年間の各評価機関と受審大学の真摯な努力による実績を踏まえて、新たな認証評価の理念を具現化していくことになります。その際に重要となるのは、まず「社会から見て信頼性の高い評価」であることです。これは、もっぱら3つの方法によって実現を図ります。1つ目は大学の情報公表の徹底です。大学の行う自己点検・評価は社会に公表されるものとして作成されることはもちろんですが、根拠となるデータや様々な規程類等を社会から見えやすく公表していることを、この評価を受けるうえでの前提とします。2つ目は評価の全体像の見える化です。評価の対象とする評価資料は、大学が日常的に取り組む様々な自己点検・評価や専門的な外部評価、さらには大学の設立法人を対象とする法人評価等を見通しよく一覧にしたポートフォリオ形式にまとめられます。3つ目は外部の視点の尊重です。学生、自治リクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 2020・・・大学の理念や特色は多様であるため、各々の評価機関が個性輝く大学づくりを推進する評価の在り方に配慮するとともに、様々な第三者評価機関がそれぞれの特性を生かして評価を実施することにより、大学がその活動に応じて多元的に評価を受けられるようにすることが重要である。中央教育審議会(2002)「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」(答申)より「判別」と「改善・向上」の両立をはかる社会から見て信頼性の高い評価①大学の情報公表の徹底評価受審の前提としての情報公開②評価の全体像の見える化簡潔な様式(ポートフォリオ)の採用③外部の視点の尊重学生、自治体、地域関係者の参画関係者にとって妥当性の高い評価①問題となるポイントの探索評価経験からのフィードバックを蓄積②異なる評価制度との連携評価の連携による言わば「三角測量」③大学のマネジメントに貢献大学の問題意識に即して指摘図1大学教育質保証・評価センターは、大学の教育研究の質の保証及び向上の取り組みは大学自身の責任であることを自覚し、その活動に真摯に取り組む大学に対し、大学機関別認証評価の理念に則り、大学が行う教育研究の質を保証するための評価を行い、またその評価を通じて大学の教育研究の質の向上に資することを目的として認証評価を実施します。

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