カレッジマネジメント220号
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53リクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 2020のトレーニングを受けたと説明する。「われわれの考えるMBA教育はリーダー育成なので、自分だったらどう考えどう行動するか、一般論ではなく個別的に考えさせます。それには、事前にケースを見せ、アサインメントを提示してグループセッションをしてクラス討議、といった参加型のケースメソッド授業が適しています。人生において、コンビニの店長になる確率は、ゼロかもしれません。それでも『自分がこのコンビニの店長の立場だったら』というケーススタディをするのは、それぞれの立場に翻訳して考えることを学ぶためです。これはなかなかできません」。今回、名古屋キャンパスでBBA1年生の授業を見学し、ケースメソッド形式の授業を目の当たりにした。扇型形式の教室で、各自の前には大きなネームプレートとマイクがあり、入学して半年足らずの1年生約70人がわれ先にと手を挙げて意見を述べている姿には驚かされた。BBAは1学年約70名。経営学部経営学科と商学部マーケティング学科から、全学定員約800人の1割までを「名古屋キャンパスにおける履修モデル」に割り振っている。コースでも専攻でもなく、1年次から4年次までの全科目が必修・選択科目なしという特別な履修モデルだ。全て必修とする理由の1つは、「偏食」を許さないことだ。「ビジネススクールで一番人気の科目はマーケティング、次が経営戦略。逆に、ファイナンス系、アカウンティング系の科目は取りたがりません。偏食ですね。リーダー育成である以上、それはさせませいとかいう話は聞きません。テレビに話しかけるようなワンウェイの3時間ではなく、反応がある授業だから楽しいんですよね」。自身もMBA課程で教える栗本理事長はそう語る。BBAスタイルの参加型授業についてこられる学生を選抜する必要から、センター利用型、指定校推薦等すべての入試で学生1対教員2の面接を行う。S-A-B-Cという絶対評価をしたうえで、その日の順位で相対評価もつける。志願倍率は2倍から3倍で、面接で半分近く落として、さらに学力試験で人数を絞るという。面接での評価ポイントについて栗ん。マーケティングのスペシャリストになりたい気持ちは分かります。面白いから。しかし、それだけでは企業の経営は務まりません」。学生にはかなりのハードワークが求められる。各ケースに「自分が店長の立場だったらどう対応するか」のような設問(アサインメント)が必ずあり、予習なしでは対応できない。1授業あたり3時間の予習が目安で、授業時間と同じ時間を予習することになる。学生だけでなく教員の労力も膨大だ。午前中の授業のあと、学生から質問攻めにあって、夕方まで解放されない、といったことも珍しくないらしい。しかし教員のモチベーションは高い。「アクティブラーニング授業は疲れるとはいいますが、嫌だとか持ちたくな学生1対教員2の面接で選抜クリエイティブシンキングクリティカルシンキングロジカルシンキングデザインシンキング社会学経済学政治学ビジネス行動観察ビジネス基礎心理学国際政治地球環境論民法概論国際ボランティア論プログラムデザイン情報リテラシーグローバル英語コーポレートファイナンスグローバルファイナンスデジタルファイナンスリスクマネジメント論金融政策投資シミュレーションITサービスマネジメントイノベーションマネジメントテクノロジーマネジメントビジネスデータ分析会計学ビジネス法財務会計管理会計企業分析事業継承と相続ファミリービジネス経営倫理ビジネス倫理経済倫理情報倫理国際マーケティングコミュニケーションデザインブランドマーケティングサービスデザインサービス経営デジタル化戦略組織とリーダーシップ組織と人事リーダーシップ開発事業再生戦略産業組織論経営組織経営学経営戦略国際経営企業ミッションと戦略ビジネスモデルデザインベンチャー経営事業の承継と革新MBAエッセンシャルズMBAキャリアデザイン海外インターンシップ交換留学ギャップイヤープログラム国際ボランティアセミナーケースライティング(卒論)教養科目ファイナンス情報技術アカウンティング企業倫理マーケティング組織行動マネジメントフィールドBBAPROGRAMLIBERAL ARTSFINANCETECHNOLOGY MANAGEMENTACCOUNTINGCORPORATE ETHICSMARKETINGORGANIZATIONALBEHAVIORMANAGEMENTFIELD

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