カレッジマネジメント220号
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54リクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 2020本理事長はこう話す。「まずは会話にきちんとついてこられるか、自分の考えでしっかり話せるか。そして、面接するのはBBAで教える教員なので、自分のクラスに貢献してくれるか、という視点です。『この人と一緒に働きたいか』で評価する企業の採用面接と同じですね」。BBAの「学ぶ」は「働く」の始まりである就活から十分に活用される。自分が予習しなければ授業についていけないという学生生活で、何ごとも自分で事前に準備する習慣がついているうえ、毎日のディスカッションがコミュニケーション能力を高めているので、個別面接やグループ面接での評価は高い。また、学生は1年間で100以上のケーススタディを行い、4年間では400~500社の会社名を知ることになる。「普通、新聞も読まない大学生の知る会社名は、テレビコマーシャルで見るようなB to Cばかりです。でもBBAの学生は、そういう分かりやすい会社以外のベンチャーやグローバルニッチトップも調べ、4年間で培った会社の成長力を見る目で見て、決めていきます。自分で調べて自分で決めるので、満足度はかなり高いようです」。インターンシップも盛んで、海外のインターンシップやボランティア等、長期の体験型フィールドワークに3割強の学生が参加している。教室でのアクティブラーニングと、インターンシップ等学外活動での学びの効果で、大学がサポートするまでもなく就職を決めていく学生も多いという。一方で、いくら優秀で企業知識があっても、学部生には就職活動の経験がない。その意味で必要な支援の体制は整えている。中心となるスタッフは、名商大MBAの卒業生。1人45分~1時間の個人面談を1年に4~5回行う等、手厚いサポートができるという。BBA4年間の成果の第一は、1期生(2020年3月卒)の就職内定状況だ。大手有名企業、学部卒の採用が極めて少ないコンサルタントをはじめ、多くの学生が自身の希望した企業に決まっているという。これはいわゆる「出口」の成果だが、「入口」で見る学生のクオリティーも、1つの指標としている入学者の評定平均が年々上がっているとのことだ。学生層の変化として、女子比率の上昇もある。日進キャンパスの商学部・経営学部は女子比率が約2割だが、名古屋キャンパスのBBAは約4割となっている。また、栗本理事長が成果としてあげるのが、高校教員にBBAの魅力が伝わり出していることだ。アクティブラーニングに関心を持つ高校教員の見学や研修が非常に増え、近隣県で県立の全高等学校の教員の新任研修をした例もあるという。「さらにもう1つ、少数派ですが、ビジネススクールの卒業生のお子さんが入学する例があります。自分が受けたあの授業を受けさせたいと。これもうれしいことですね」。これからの課題と展望は「まずは英語、グローバルBBA」と栗本理事長は言う。「2、3年はかかりますが、教育課程の国際化は国際認証校として絶対必要です」。関連して、グローバルBBAの高校版を日進キャンパス内に作る計画がある。全寮制で、全授業を英語で行い、ケースメソッド主体の「国際高等学校」(仮称)が県の認可を得て、2021年秋の開校を目指している。「ヨーロッパのカルチャーでは、学寮を伴う学びのことをカレッジといいます。全寮制高校なので、ハイスクールではなくインターナショナルカレッジオブジャパンという形です。MBA教育の高校版といえるインターナショナルバカロレア(IB)の認定校とする予定で、IBで学んだ生徒をグローバルBBAに受け入れる流れを、認証校としてきちんと作りたいのです」。国際化以外の課題としては、BBAについていけない、1割弱の学生への対応がある。BBAからドロップアウトしても、学内の通常の学士課程(BSc:Bachelor of Science in management)で引き続き学習ができるので、大きな問題はないともいえる。しかし栗本理事長は「それがあるから何もしないというのもおかしなことですし、フォローしすぎるのもいけない」とし、「入口時点で学生をどこまで目利きできるか、もしくはアジャストするように追い込んでいけるか」に課題感を持っている。1期生がコンサルティング企業に内定全て英語で学ぶ「国際高等学校(仮称)」を開校ケーススタディで企業を見る目を養う(角方正幸 リアセックキャリア総合研究所 所長)
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