カレッジマネジメント220号
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6リクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 20202020年4月に私立学校法が改正され、私立大学でも中期計画の策定が義務化されることが決まり、中長期計画の効果的な運用のあり方に対する関心がますます高まっている。そこで、私立大学の中長期計画について、どのように運用され、捉えられているのか、現場でのご意見、お考えを理解するとともに、今後の方向性についての議論に役立てることを目的として、四年制大学の学長に対するアンケートを2019年7月に実施した。回答校は297校で、回収率は50.0%であった(表1)。ご多忙のところ、本調査にご協力頂いた大学学長に感謝を申し上げる。中期計画は、この10年ほどで急速に策定されるようになってきた。私学高等教育研究所の中長期計画に関する調査では、2007年にはその策定率は24.8%に過ぎなかったが、2010年には55.3%、2013年には58.7%、2018年には73.4%へと急増してきた。全私立大学法人の91%が回答した日本私立学校振興・共済事業団の2018年時点の調査では、中長期計画の策定率は75.0%、策定検討中は20.1%であった。こうした状況を考慮に入れて、本調査では、ある程度、中期計画の策定が普及した中で、その成否を分けるポイントは何か、ということに特に焦点を当てて、既に中期計画を策定している大学に対する問いを中心として、調査を実施した。そのため、中期計画を検討中・策定していない大学の回答が少ないという若干の偏りがあると思われ、その点に留意しつつ結果を見ていく。回答校297校中4校は大学名の記載がなかったが、大学名の記入があった場合と、記入がなかったが計画名等の回答状況から大学名が判明できた場合には、『2019年版大学の真の実力情報公開ブック』(蛍雪時代)から2018年5月時点の学生数等のデータを入力した。データの記載がなかった2校を除く291校の学生数を、小規模(~2999人)が全体の60%、中規模(3000~9999人)が30.6%、大規模(10000人以上)が9.3%の3つに分けた。中期計画の作り方は運用の在り方が規模によって異なっているため、ここではこの規模分類を適宜用いて、結果を紹介していきたい。なお、大学からの問い合わせがあった場合は、回答できるところのみでも回答してほしいと依頼しており、問いによっては欠損値も多い。このため、それぞれの分析で用いたサンプル数も書いたので、参照されたい。既に第二サイクルの大学が多い。大規模大学ほど、長期の計画を立案既に述べたように、本調査は中期計画をある程度実施している大学を念頭にアンケートを実施したため、「中期計画を策定している(策定中も調査対象全国の私立大学594校調査方法質問紙による郵送法調査期間2019年7月1日~7月25日回収数297サンプル(有効回答率50.0%)表1 調査概要中期計画策定の状況調査報告成果の上がる中期計画をどう作るか『私立大学の中期計画に関する学長調査』報告両角亜希子 東京大学 大学院教育学研究科 准教授

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