カレッジマネジメント220号
8/66

8リクルート カレッジマネジメント220 / Jan. - Feb. 2020作成し、中期計画は大学で作成する」パターン13.5%、「ビジョン等を理事会で作成し、中期計画も法人主体で作成する」パターン11.2%となっており、実態は極めて多様である。学校法人と大学の関係性についての実態が多様であることを反映して、中期計画の作り方も非常に様々であることが分かる。中期計画の策定プロセスで最も近い進め方一つを選んでもらったのが図5である。「大きな方向性を示したうえで、部局に具体案の作成を求める形式」が最も多く41.3%、「トップダウンで作成し、学内の意見を聞いて修正する」のが29.4%、「部局横断の全学委員会で作成する」のが23.4%、「学部学科等で作成されたものをまとめたのが全体の計画になる」のが5.9%となっている。なお、この4パターンと大学の規模、定員充足状況、あるいはこれまでの計画策定回数との関係を探ったが、特に関係はなかった。成果の上がる中期計画にするためには、中期計画を作成する段階から様々な努力が必要になる。現状の分析、計画を実質化するための工夫等、様々な点があり、順に見ていく。●参照した情報大規模大学ほど高等教育政策、外部評価、他大学の中長期計画を参照に作成適切な内容の中期計画を作成するうえでは、その大学の実態や課題、あるいは将来の姿を検討することが必要になる。PDCAサイクルというと、まずP(計画)から入るような印象を与えるが、実際のプロセスとしては、現状の点検・評価のうえで、計画がなされなければ意味がない。そこで計画を策定するにあたり、どのような情報をどの程度参照したかを尋ねた(図6)。最も参考にしているのは、「認証評価・自己評価の結果」、次いで「高等教育政策」「旧中長期計画の達成度」であった。各大学では様々な実態調査を行っているが、これはある程度は参照しているものの、「かなり参照した大学」という大学は27%と必ずしも多くはない。紙幅の都合で、図表は示さないが、これまでの中期計画の策定回数との関係が見られたのは、旧中長期計画の達成度と他大学の中長期計画であった。旧中長期計画の達成度を「かなり参照した」という数値は、策定回数が「3回目以降」の場合は63.7%、「2回目」は48.8%、「今回が初めて」は8.1%であった。一方、他大学の中期計画について、かなり参照した割合は、「今回初めで」で20.2%、「2回目」で13.1%、「3回目以上」で6.7%となっている。最初は他大学を参考にして作るが、回数を重ねるごとに、自大学のこれまでの中長期計画の達成度を見ながら、新たな計画を立てるようにグランドデザイン・ビジョン等の作成方法中期計画の実質上の作成主体割合(%)グランドデザイン・ビジョン作成あり(72.7%)理事会中心(22.5%)学校法人11.2大学3.0学校法人と大学の共同8.2学長中心(25.5%)学校法人3.0大学13.5学校法人と大学の共同9.0全学検討委員会(24.7%)学校法人3.0大学7.5学校法人と大学の共同14.2作成なし(27.3%)-学校法人9.0大学8.6学校法人と大学の共同9.7全体(N=267)100.0(注)表中の数値はいずれも全体(267校)を分母として計算した割合(%)である。作成方法は極めて多様表3 グランドデザイン・ビジョンと中期計画の策定主体部局に具体案の作成を求める方式が最も多い図5 中期計画の策定プロセス(N=269)学部学科等で作成したものをまとめて全体計画トップダウンで作成し、意見を聞き修正部局横断の全学委員会で作成大きな方向性を示し、部局が具体案作成41.3%23.4%29.4%5.9%作成プロセスでの工夫・努力

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る