カレッジマネジメント221号
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から国際こども教育学科に変更。その背景について、副学長・百瀬志麻氏は「社会の国際化が進展し、日本においても外国籍の子ども達が増えている。保育の現場においては、既に多様なバックグラウンドを持つ子ども達と向き合っており、子どもや保護者とのコミュニケーションに必要な言語力の点においても、異文化を受容する考え方という点においても、日本の既存の幼児教育は追いついていない。日本の保育の型が必ずしも一番良いというわけではなく、世界には色々な保育や幼児教育の考え方や方法があるということを体感し、多文化を理解できる素地を作っていきたいと考え、国際こども教育学科に変更した」と語る。カリキュラムにおいても英語の授業や、国際こども教育概論、比較乳児教育といった学びや、ニュージーランドでのフィールドワーク等を通じて、多様化する国際社会の中で活躍できる保育士の育成に力を入れ、同じ保育の領域の教育機関とは一線を画する存在となっている。そんな鶴川女子短期大学の新校舎設立構想は、既に10年以上前からあった小田急線鶴川駅(東京都町田市)から閑静な住宅街を抜けた小高い丘の上に端正な佇まいを見せる建物が、昨年9月に竣工した鶴川女子短期大学の新校舎である。同短期大学は、戦後の女性の自立支援のためにタイピストの育成校を開設したことに始まり、高度経済成長期の女性のさらなる社会進出を背景に、愛情を持って幼児教育・保育を実践できる人材を育てることを目指して短期大学を開設、約半世紀が過ぎている。そして、2017年度には幼児教育学科56リクルート カレッジマネジメント221 / Mar. - Apr. 2020学生全員に、無料で栄養バランスの良い食事を提供する学生食堂。「学生時代は食生活を犠牲にしがちだが、保育士を養成する学校として自ら食の大切さを理解する食育の観点を重視している」(百瀬志麻副学長)。横長の大講義室。ほかにアクティブラーニングに活用しやすい可動式の机を配した中講義室もある。1クラス分が入れるPC教室。空いた壁スペースにプロジェクターを映して使う。実習を行う模擬保育室。
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