カレッジマネジメント221号
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障がいを超えた想い 2020年東京パラリンピックの正式種目でもある「ボッチャ」という競技をご存じだろうか。ボッチャは、ヨーロッパで生まれた重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障がい者のために考案されたスポーツだ。ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競い合う。学内にあるリハビリ用実習室にあるコートに集合してくれたのは杏林大学・ボッチャ部のメンバー達。彼らのほとんどが保健学部理学療法学科に在籍し、部の顧問である先生の授業でボッチャに出会った。現在、約60名の部員を率いる部長の栗原玄伎さんにボッチャ部の活動を教えて頂いた。「中心となる活動は、東京パラリンピックに向けての普及活動です。市の施設で高齢者向けの体験会や小学校の体育の授業での体験会を実施しています。また、競技会の審判として参加させていただくこともあります。競技者としては、ボッチャ東京カップ2019大学選手権東日本大会で、大学のチームとして優勝することができました」。まさに、現在のボッチャ競技を様々な側面から推進しているのだ。「東京カップなどの大会では3対3の団体戦が中心です。チームとして勝つためには、様々な状況のパターンに応じて選手の得意な技で、空中から当てるとか、相手のボールをはじきにいくなどの戦術を駆使していきます。最後の1球で負けてしまうこともあり、プレッシャーのかかる競技ですが、そこが面白いところでもありますね」と栗原さんは語る。「部としての目標は、まずはボッチャの認知度が上がることです。そのために講習会を受けて審判となったり、週2〜3回ペースでボランティア活動にも積極的に参加しています」。理学療法の分野を学ぶ学生である彼らが、障がいを持つ方々に役立つためにボッチャを普及している。その「障がいを超えた想い」が東京パラリンピックの成功を支え、競技普及の道を切り拓いてくれるだろう。 (写真・文/西山俊哉)学生のリーダー杏林大学 ボッチャ部当代当代Vol.82栗原玄伎 さん (保健学部理学療法学科2年)部 長
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