カレッジマネジメント222号
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12文部科学省では、国立大学法人、大学共同利用機関法人、独立行政法人国立高等専門学校機構(以下、「国立大学等」という。)が自らの資産として自主性・自律性を持って施設を管理運営していく必要性から、施設のコストマネジメントの推進方策、ライフサイクルコストの算定システム、ベンチマーキング指標、施設マネジメントの取組事例等を取りまとめて国立大学等に提示し、施設マネジメントの推進を図ってきた。これらの取組を受け、国立大学等において様々な取組が進められているものの、全学的視点からの実施、施設の現状把握による課題の分析や解決方策の検討、長期的な維持管理費の推計等について課題が見受けられた。さらに、大学機能の再構築とそのための大学ガバナンスの充実・強化が強く求められている中、自ら定めた大学の理念やアカデミックプランを実現するために、経営的視点から施設全般に係る様々な取組を行う、総合的な施設マネジメントがますます重要となってきた。このような状況を踏まえ、国立大学等の施設マネジメントをより一層推進するために、平成25年10月に「国立大学等施設の総合的なマネジメントに関する検討会」を設置し、各国立大学等の経営者層による大学経営の一環としての施設マネジメントの重要性とその具体的な進め方について検討を行い、平成27年3月に「大学経営に求められる施設戦略」を取りまとめた。1.施設の重要性と課題(1)施設の重要性施設は、教育研究活動を支える基盤として、高度化・多様化する教育研究に対応し、優れた知的創造活動を発展的に進めるために、必要かつ十分な機能を持った質の高い教育研究環境を継続的に確保していく必要がある。(2)施設面の課題既存施設の老朽化の進行、基幹設備(ライフライン)の法定耐用年数の超過、新たな施設需要の増加など、多くの課題を抱えており、このままでは、事故発生等のリスクを招くとともに、教育研究活動に重大な支障を来すおそれが生じている。(3)大学自らの解決の必要性自らの責任において主体的に施設整備・管理を行うための施設マネジメントをより一層進めていくことが必要となる。2.適切な施設マネジメントの必要性(1)施設マネジメントの課題平成24年度に国立大学等の施設担当部課に対して実施した施設マネジメントの取組状況アンケート調査結果によれば、最も優先する課題として、老朽化の改善、スペース硬直化の解消、維持管理の財源確保等が挙げられており、様々な取組を模索しながら課題の解決に腐心している姿がうかリクルート カレッジマネジメント222 / May - Jun. 2020「大学経営に求められる施設戦略」策定の背景「大学経営に求められる施設戦略」の概要第1章 施設マネジメントの必要性文部科学省 大臣官房文教施設企画・防災部 計画課整備計画室 管理企画係長扇谷圭一大学経営に求められる施設戦略──施設マネジメントが教育研究基盤を強化する
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