カレッジマネジメント222号
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14リクルート カレッジマネジメント222 / May - Jun. 2020確立するとともに、毎年の取組についても短期間のPDCAサイクルによる検証・評価を行うことが必要である。この中期的な行動計画を策定するPDCAサイクルにおいて経営者層が担うべき役割(図1の赤枠部分)を以下に示す。それぞれにおいて経営者層は、必要性を十分に理解したうえで主体的に実施することが求められる。Plan大学の理念やアカデミックプラン、経営戦略等を踏まえて作成したキャンパスマスタープランに基づき、施設に関する情報や要望を踏まえて教育研究等にもたらす効果を想定し、施設整備・管理目標を設定するとともに、教育研究等にもたらす効果の評価指標(以下、「評価指標」という。)を設定する。Do既存施設の現状を把握し、施設整備・管理目標を達成するための実施方策を検討する。その結果に基づき、財源確保の方策も踏まえ、施設整備計画・施設修繕計画等の中期的な行動計画を策定し、事務部局に対して、実施方策の遂行を指示する。Check実施方策の遂行後、その進捗状況を確認するとともに、評価指標により、当初想定した教育研究等にもたらす効果の検証・評価を行う。Action検証・評価の結果は、次に教育研究等にもたらす効果を想定する際に活用する。1.教育研究等にもたらす効果の想定と事後の検証・評価(1)教育研究等にもたらす効果の想定本部事務局、各部局等や学生・教職員等の施設利用者からの施設の整備・修繕等に関する要望を把握する。キャンパスマスタープランや施設に関する情報に基づき、それぞれの要望について教育研究等にもたらす効果を具体的に想定し、対応する最適な施設整備・管理目標及び評価指標を設定する(設定例は表1)。なお、教育研究等にもたらす効果、施設整備・管理目標及び評価指標は、施設マネジメントの実施方策の検証・評価に用いるほか、学内の理解を得るための資料や、施設マネジメント自体の重要性や必要性を示す資料としても活用できることから、積極的に学内に周知する。(2)効果の検証・評価と反映実施方策の遂行後、または、実施方策が長期にわたる場合にはその途中の適切な段階において、施設の利用状況の調査や利用者へのアンケート等により、評価指標を用いて教育研究等にもたらす効果を検証・評価し、その結果を学内に公表する。検証・評価の結果、実施方策に問題が見られる場合には、図1 中期的な行動計画を策定する施設マネジメントのPDCAサイクル第3章 戦略的な実施手法大学全体の情報施設整備・管理目標に関する情報ActionCheckPlanDo大学の理念アカデミックプラン教育研究等にもたらす効果の想定施設整備・管理目標の設定評価指標の設定実施方策の遂行施設の整備,維持管理,既存施設の有効活用等教育研究等にもたらす効果の検証・評価実施方策の検討(クオリティ・スペース・コストの視点)財源の確保中期的な行動計画の策定(施設整備・修繕計画等)キャンパスマスタープラン情報を活用した経営判断施設情報・施設要望財務の現状・将来予測

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