カレッジマネジメント222号
29/58

29リクルート カレッジマネジメント222 / May - Jun. 2020キャンパスマスタープラン(CMP)の策定と中期計画への反映CMP)と呼ばれる、アカデミックプランと経営戦略を融合した長期的な施設計画を策定するそうであるが、これまで日本でCMPを持つ大学は多くなかった。しかし、昨今は日本でも18歳人口減少下での生き残り戦略の一環として、耐震工事や建て直し、周年事業のタイミングにおいて、CMP的な考え方を取り入れる大学が増えている。特に、大学改革・教育改革が進められる中で、それぞれの大学において、「主体的で対話的で深い学び」にどのように取り組んでいくのか、あるいは教育理念をどのように具現化していくのか、という観点からのファシリティの見直しが進んでいる。今回の特集を通して感じたのは、教育改革をどのように実現していくかが、キャンパス戦略に大きく反映されているということである。ポイントは以下の3点に整理できるのではないか。まず、「学修者本位の教育の実現」である。ラーニングコモンズやグローバルコモンズの新設、図書館の見直し、実験場の充実等によって、“主体的な学び”をどう引き出すかである。次に「縦割りから融合へ」である。学部単位、研究室単位、文系・理系といった縦割りのキャンパスから、文理融合、研究室間の壁の撤廃、学部間連携等といった形で、横串を通すように、新たな社会課題への取り組みを推進していこうというものである。3つ目は「教育理念の具現化」である。これは、もともと建学の精神や教育理念といった形にならないものを、もう一段かみ砕き、キャンパスのあり方といった形で示し、大学の個性を分かりやすく社会に具現化するものである。特に、大きなテーマとして、グローバル化に対応した教育、第4次産業革命といったICTへの取り組み、産学官・地域との連携といった、今後の社会課題に対応した人材育成を、どのように大学として取り組んでいくのか。それをキャンパス戦略に分かりやすく反映させるのである。2020年4月から大学は中期計画の策定が義務付けられた。中長期計画の中で、どのように教育・人材育成の理念、そしてその大学の個性をCMPに組み込んでいくか、ファシリティにも大学の戦略的発想が問われる時代がやってきている。特集 教育改革を実現するキャンパス戦略※リクルート進学センサス2019教育改革を実現するキャンパス戦略の考え方<3つのトレンド>①学修者本位の教育の実現 ⇒主体的で、対話的で、深い学びの実現  ラーニングコモンズ、グローバルコモンズ、図書館のあり方、実験工房等②「縦割り」から「融合」への移行によるイノベーションの創出 学部・学科、研究室単位、文系・理系の分け方等       ↓ オープンスペース、壁の撤廃、文理融合、産学官連携、地域連携等③教育理念の具現化 ・建学の精神、教育理念を現在の教育現場にどう活かしていくか ・大学の個性をどのように具現化していくか第4次産業革命Society5.0社会環境の変化・新たな社会課題への対応人口減少地域創生グローバル化

元のページ  ../index.html#29

このブックを見る