カレッジマネジメント222号
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31作成、登記終了を経て2019年12月18日に山梨大学のキャンパスにおいて看板上掲式及び共同記者会見を実施したのである。翌年1月27日には記念式典も盛大に開催された。両大学の連携事業は、教育研究から業務運営まで多岐にわたって検討されている。理系の強い山梨大学と文系の強い山梨県立大学の特色を生かしながら、大きく①教育資源の相互提供(教養教育、教員養成、幼児教育、看護教育、社会科学(観光分野))②共同教育事業(幼児教育分野、看護教育分野)③機能強化に向けた運営・業務の効率化(人事交流、合同研修、就職支援、物品の共同調達、施設・設備の共同利用)、の3つの事業について具体化を進めている。特に①②の両大学の強み・特色を生かした教育事業については、国の進める大学等連携推進法人(仮称)による規制緩和(例えば、授業の共同開設による単位互換、共同教育課程の要件緩和、教職課程の共同設置化(検討中))を視野に作業を進めている。その際、理事会の下に置かれた教育の質保証に責任を有する「教育質保証委員会」の役割は大きい(図2)。こうした連携可能な分野・領域の取り組みは、スケールメリット、大学運営の効率化、組織のスリム化及び人材養成の高度化といったリクルート カレッジマネジメント222 / May - Jun. 2020背景一般社団法人 大学アライアンスやまなし(General Incorporated Association University Alliance Yamanashi)・地域における産業・医療・教育・子育て支援など、多くの分野で地方大学への期待や役割が拡大(地域課題に対応できる人材育成が急務)・資源を有効活用し、スケールメリットを活かした大学運営の展開が必要・財源確保など、厳しい経営環境下での大学運営に対する危機意識の増幅・33年ぶりに県内人口が82万人を割込む(2018.4.1現在)・2028年の18歳人口(対2017年)は6,637人(21.0%減)と大幅に減少・18歳人口の流出も大きな課題(地元大学進学率:26.6%と低迷※)         ※全国平均は44.0%(2018.4月入学者)地理的要件・開設学問分野・運営基盤を考慮し、地域大学間連携が最善と判断現状の大学経営に対する危機感を両大学で共有山梨県内の大学等との連携を視野に、まずは2大学で連携の中核を担う“運営法人”を設立山梨県の協力を受け事業を展開!単独での課題対応は限界(教育資源が圧倒的に不足) ➡ 単独では成しえない事業展開が可能!・社会変化(グローバル化・Society 5.0・AI等)への対応が可能。・文理の枠を越えた教育を実施する ➡ そのために仕組みを構築し、実行性を担保。〇 全国初となる設置形態が異なる大学間でのガバナンス連携“強力にタッグを組む”関係を  構築 ➡ 地方における新たな大学改革の先駆けモデルを確立。〇 連携実績を積重ねることで対象分野・範囲を順次拡大 ! ➡ 両大学の機能強化 !〇 学生ファースト(学生サービスの向上) ➡ 授業科目の選択肢増加や修学環境の充実 !行政と大学との密接な連携! 連携基盤が強化!強固な連携3者による連携協定を締結(令和元年5月23日)※※協定締結式(出席者)中:長崎幸太郎 山梨県知事右:島田眞路 山梨大学学長左:清水一彦 山梨県立大学理事長・学長 地方大学(特に国立大学)の使命・役割が拡大山梨県が抱える課題(進学・就職を契機とした深刻な人口減少)協力Win-Winな関係を構築〔教育学部・医学部・工学部・生命環境学部〕〔教育学研究科・医工農学総合教育部〕〔人間福祉学部・看護学部・国際政策学部〕〔看護学研究科〕参画参画図1 設置形態を超えたガバナンス連携構築構想-「大学等連携推進法人」(仮称)の設立に向けて-学生の最善の利益を最優先

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